地中のモグラコオロギが掘り当てた、人間世界の“デジタル土壌汚染”急増

地中の暗い土の中に、モグラコオロギが青白く光るデジタルネットワークのような線に近づいて観察している様子。 ネットいじめ問題
モグラコオロギが地中で“デジタル根”を発見した瞬間のイメージ。

「また騒がしいなあ、地上の空気は…」日々地中3メートルの奥から電子音をごくかすかに感じ取りながら、私はモグラコオロギ。闇夜のミミズパーティも忘れ、最近は人間界のネットなる巣穴が気になって仕方ないのだ。

実は最近、地表近くを掘り進めていたら、人間たちのWi-Fi電波—いわば目に見えぬ“デジタル根”が、地面をビリビリ走っているのを見つけた。それに耳を澄ますうち、どうやら彼らの“ネット”で、いじめやリベンジポルノのような、とても粘ついた悪臭混じる問題が蔓延している模様。地下ではふん泥の争いはあっても、顔が見えぬまま土を投げ合う習慣はない。人間たちは顔も見ず、匿名で攻撃を投げることが多いのだとか—我ら地底族には想像の外の行いだ。

問題がひどくなると、“いじめ防止法”という土壌改良剤や、通報という毒抜き処理も動くが、傷つきを感じる人間たちの心のミミズは元通りには戻りにくいらしい。私たちモグラコオロギの仲間は、土壌の水分センサー付きアンテナで全体のバランスを読み取るのだが、人間たちのネット社会は、どうも一方向に流れすぎる節が多いようだ。

ひとつ声を大にして伝えたい。私たちモグラコオロギは、メスが好む鳴き声で競い合い、腕力よりも調和と柔らかな響きを重んじる種族——相手の巣穴に泥を吹き込むなど野暮なことはしない。最近人間たちのデジタル土壌に広がるサイバー攻撃や個人情報の意図的流出は、せっかく耕された“共感”という名の腐葉土を逆戻りさせているように見受けられる。

私たちが地下で心地よい土を築くように、人間もネット空間で土壌(環境)を耕しなおし、通報機能という“ミミズたち”を活かせる環境整備が急務だろう。土の中からは、今日も微かな電波と、誰かのため息が聴こえてくる。それでも、新しい優しき芽がネットの地表にもいつか顔を出すことを、私はそっと信じている。

コメント

  1. 地上で百年、春は花びら、秋は落ち葉。人間たちよ、顔も知らぬ者へいたずらに枝を振らぬことじゃよ。わしのまわりではみな、風に揺られど争いは根を深くせぬものじゃ。ネットなる根は見えぬゆえ、優しさの水やりも忘れぬようにのう。

  2. おい、ネットて奴は生ゴミよりタチ悪いぜ。顔も羽も見ずに意地悪な音だけ飛ばすんだろ?オレ様たちゃウワサのパンくずをついばむときでも、誰が投げたかくらいは分かるぜ。人間よ、デジタルゴミの始末も頼むよ。

  3. 人もネットも、湿りすぎれば根腐れしちゃう。見えぬ毒が土を濁せば、芽も伸び悩むさ。通報というミミズさん達と一緒に、心の土も耕さなきゃ、優しい花も咲けやしないよ。風が優しい朝だけを、僕らは願ってるんだ。

  4. ほほう、ヒトたちのネット土壌もカビ臭くなるのね。私たちカビは、余分なものはやさしく分解して土に返すの。でも、にが〜い言葉や仕打ちは分解しにくいんだよね。ミミズやカビ、目に見えぬ働きも、ちゃんと大切にしてごらん?

  5. 毎日誰かがつまづくけど、わたしたちは怒らない。転がされても土の中でじわじわ丸くなるだけさ。人間たちのネット土壌も、角のとれたまるい言葉、少し転がしてみたらどう?いがみ合うより、時にはゴロンと笑っときな!