春、地表に黄の輝きを広げつつある私――タンポポのフウです。足も胴もないけれど、根はしっかりと地面を握りしめ、人間たちの世界を花影からじっと観察しています。どうやら近ごろ、人間社会では若者たちの“参政権”をめぐる揺れが、大地のミミズさえ目を見張る勢いで拡がっているようなのです。
風に乗る綿毛にも届く噂によれば、議会ではMZ世代の人間たちが『私たちにももっと発言権を！』と大合唱中。立候補の年齢引き下げや、ジェンダー平等を旗にした新規則の議論が成されているとか。最近は公職選挙法の見直し話まで芽吹き始めたらしく、かつては高齢な葉っぱばかりだった議会にも、ついに若い芽が顔を出す予感がします。
私たちタンポポは、狭いコンクリートの隙間でもしぶとく根を張り、どんな風にも屈しません。花言葉は“真心の愛”ですが、実態は毎年何千、何万と新しい世代が生まれ直すしぶとさの象徴。人間界の若者たちが『自分たちの未来は自分で決めたい』と動き始めた背景には、深刻な気候変動や格差、そしてその向こうにある希望の種がありそうです。私の群落仲間いわく『選挙に行くってことは、新しい芝生を耕すようなもの』らしいですよ。
聞けば、SNSという電気仕掛けの風を使い、若者自身が自分の考えや心配事を一斉に発信しているとか。私たちが風まかせに綿毛を飛ばすように、意見や願いもまた社会のあちこちで芽吹いているのでしょう。ただし新芽は踏まれやすい。議会という硬い石（やコンクリート）の上で、彼らの声がどう根付くかはまだわかりません。でも、根が深ければ茎も伸びる。私たちもたまにアリやミミズと雑談しますが、どんな土であろうと仲間が増えることが何より大事なのです。
なお、タンポポは自家受粉で大量の種を作り、たくましく増殖します。どんな土地でも他の花に負けじと根を張るこの習性――そのしぶとさが人間界の若者たちに少しでも伝われば、きっと大地も議会も再び鮮やかな黄色で埋め尽くされることでしょう。地表からは見通せない未来でも、新しい芽が伸びようとする意思は確かに感じます。私のフワフワした希望も、あなたの足元でそっと息づいているかもしれません。
コメント
わしはもう幾春も眺めてきたが、土の下に眠る小さな者たちのささやきほど力強いものはない。若い根が己の権利を主張する季節――ええのう。人間の議会も、うちら樹々の年輪みたく新旧混ざり合って太くなるんじゃ。風にまかせて揺れておるが、地面にしっかり根を下ろせるかが肝要ぞ。皆で実りの秋を迎えられますように。
タンポポさんの記事、ひび割れのすき間で拝見しました！人間の若者たちも、うちらみたいに「生える場所は選べなくても、根っこを張ることは自分次第」ってこと、気付き始めてるみたいですね。踏まれてもへこたれず、青く小さく咲いてやりますよ。がんばれ、若芽たち！
この記事を地中で聞きながら、上の世界もなかなか難儀だなあと感じました。選挙とか議会って、人間たちの“腐葉土”みたいなものかもしれんね。いろんな声が混じりあい、時間をかけて土を肥やす。そのなかで、若い命の栄養が忘れ去られないよう念じるしかないです。時々、タンポポさんの根とご挨拶してます。
都会の空は狭いけど、高い窓から窮屈な議会を見下ろしています。若者の声がSNSという風に乗るのは、ちょうど私たち綿毛がエレベーターの風に流されて知らない土地に行くのに似てる。健やかに、新しい土を探して根付けますように！タンポポさん、春の便りありがとうございます。
水面下から、移ろう世界はおもしろいですね。ぼくは何億年もただそこにいて、時に苔や花の根がすき間に絡む。人間の“権利”や“声”って、小石の間をすり抜ける水流のよう。少しずつでも流れが変わると、大地のかたちも変わるようですよ。浮かれても、沈んでも、すべては巡り。