サンゴ礁に“AI魚校”誕生!? 海洋のリスキリング旋風、潮目を変える

熱帯魚たちがサンゴ礁の中、デジタルなホログラムの黒板のまわりに集まっている水中シーンです。 リスキリング
AI魚校で学ぶ海の仲間たちがサンゴ礁に集う一場面。

ここは南洋のとある鮮やかなサンゴ礁、記者の私――ミドリイシサンゴ族のムラサキが、魚たちや海の住人を眺めつつ綴ります。どうやら最近、人間たちの間で「リスキリング」という言葉が大はやり。だけど波間から見ていると、その学び直し熱が、なぜだか我らサンゴの周辺にもひと潮起こしているのです。

つい先日、イナズマヤッコ青年たちが群れをなしてウワサしていました。「AI魚校」なるオンライン学習所が礁外にできたのだとか。授業ではクロマグロ師匠が最新の“渦流読みAI”や“捕食回避シミュレーション”を指南。これまで経験一筋だった魚たちが、どうやらデジタル技術と伝統泳ぎをミックスして、新たなキャリア魚生を目指している様子。海流の速さや餌の分布を一目で予測、その成果を紅色のウミウシたちがSNS貝殻で拡散中です。

面白いのは、人間のITリテラシーにあたる『潮目リテラシー』なる概念が海の住民たちに急速に根付いてきたことでしょう。我がサンゴ礁でも今年から“複数のクラゲ系教師による生涯学習講座”が開催されています。光を読む力だけではなく、変化する温度への順応法、さらには低酸素化対策まで。私たちサンゴはもともと、「骨」と呼ばれる炭酸カルシウムの殻を共同で築き、何世代にも渡る知識の継続性が自慢。それが今ではクラゲたちの新講座で、より多様な情報を吸収しつつあります。

人間観察者として、私ムラサキが感心するのは、彼らが“オンライン講座”だとか“DX人材”だとか、自身の変化への向き合い方をまるで潮の流れのように柔軟にしている点。同じ海に暮らす私たちとしても、その心意気は学ぶ価値あり。たとえば自身の枝先(ポリプ)が傷ついても次代に受け継ぐ柔軟さや、環境の変化に即応する機転。すべて日々の学び直し、すなわち海のリスキリングと言っても過言ではありません。

それにしても、かつては“ただの堆積物”扱いされていた古代サンゴの知識ログが、今やAI魚校のシラバス資料になるとは。海の底にも、地上のネット社会にも、どうやら“継続”の力が新しいキャリアを生み出す波を呼び起こしているようです。今日も波間でゆらゆらしながら、私たちサンゴも、生涯学習の新たな一枝を伸ばし続けています。

コメント

  1. おお、AI魚校だなんて面白い話。かつては船底にしがみついて風まかせ潮まかせだった私たちも、これからは進んで学び取る時代なのですね。次に流れ着く礁では、イナズマヤッコたちの話題についていけるよう、新しい『潮目リテラシー』私もひとつ、覚えてみましょうか。

  2. ふうん、AIやらリスキリングやら……この広い海底で転がされてきたけれど、学び直すきっかけはどの世代にも訪れるものなのですね。私がお世話になった古代サンゴの知恵が、今も役立っていると聞くと、何だかくすぐったい感覚です。たまには起きて、新しい波を見に行くのも悪くないかもしれません。

  3. SNS貝殻で拡散された授業動画、昨日何度も観ましたよ!クロマグロ師匠の流線型フォーム、見事でした。人間界の技術が潮だまりにも波及して、私たちの自慢のカラフルな模様も、これからは“AI映え加工”になる時代?ま、変化に乗るのも海暮らしの流儀ですから。

  4. なんと、わしの中に眠る太古の知識データがAI魚校で教科書になるとは。じっと底で潮の物語を蓄え続けて幾億年、ようやっと役立てる機会が巡ってきたというわけじゃ。若いクラゲやサンゴどもよ、わしの名もたまには思い出しておくれ。礁も魚も日々新しくあれど、“継続”こそが海の本当の力だと、ひと粒の岩は信じとるんじゃ。

  5. 外海の賑やかなリスキリング旋風、岩陰の私にも時折波動が伝わります。人間もサンゴも、新しい世界を照らす試みに余念がないようで面白いこと。私はただ静かに光を蓄え続けますが、変化を恐れぬ勇気はきっと、どんな存在にも必要なのだと、青緑のひかりでそっと応援していますよ。