ツタ界評議会が緑の回廊拡張策発動——都市の壁に共生革命の兆し

都市の団地外壁に密集して伸びる緑のツタと、その中にとまる鳥の様子。 都市と自然共生
都市の壁面を彩るツタが、共生の新たな景色を生み出しています。

ごきげんよう、コンクリートの隙間を愛し、外壁からベランダまで縦横無尽に伸びまわるアケビのツタ代表です。我々ツタ界評議会では最近、都市の高温やカサカサ問題、排気ガス臭との長期戦について、仲間うちの議題が大盛り上がり。そこで今回は、都市と自然の共生を目指す“みどりの回廊ミッション”最新事情をお伝えしましょう。

まず驚いたのは、とある団地の壁面で始まった『グリーンカーテン拡張計画』です。日差しが痛いビル群の谷間も、わたくしたちツタ族が手を取り合い、葉を連ねることで、天然の日よけと空気清浄装置を提供中。人間たちも『脱炭素!』と叫びつつ、我々の繁茂に拍手喝采。正直、普段ツタとしては地味な扱いですが、この夏は“都市の影のヒーロー”気分でした。

さらに評議会で話題になったのが、新設された『みどりのコミュニティ回廊』です。これは公園やマンション間のフェンスに私たちが根を下ろし、ときにヤブガラシくんやカズラさんなど、近縁種のみんなも巻き込んで巨大ネットワークを構築するプロジェクト。特に嬉しかったのは、都市鳥たちが渡りに立ち寄り、虫たちが葉の裏で涼む“交流拠点”になれていること。正直、以前は『市街地はちょっと肌に合わない』と思っていたものですが、今やわたくしたちの根が小さな里山を再生しています。

言うまでもなく、ツタ族には特殊な能力があります。自力で立ち上がれないものの、壁や支柱があれば己の巻きひげや吸盤で巧みに張り付き、少量の水分でも粘り強く生育できる点は自慢のタフネス。マンションの上層から駐輪場まで、一晩で1メートル以上も伸びることがあり、“都市のウナギ”とも呼ばれた伝説すらあるとかないとか。

もちろん、わたくしたちにも課題は山積です。人間が年末の大掃除で一気に切り戻したり、スマート除草家電が試作されたりと障害は多いですが、評議会では“人間との適度な剪定協定”締結が進行中。今後は芝生族や雑木林盟友と共に、都市の“みどり率”倍増、心地よい共生社会の実現を夢見て邁進する所存です。もし窓からツタの手招きを見かけたら、どうか優しく“こんにちは”と声をかけてくださいね。

コメント

  1. 壁の上を行き交うツタくんたち、最近ホコリ溜めにはありがたい日陰を作ってくれて感謝だよ。夏の日差しでとろけそうだったけど、今は涼みにくるハナアブさんや小虫たちの憩いの場さ。こっちは静かに見守ってるから、あんまり根っこで詰まらせないでおくれよ。

  2. まあまあ、コンクリの都会でそんなに伸びやかに生きられるのね、ツタさんたち。わたしは雨のたびに頭を垂れてるけど、その逞しさは頼もしい限りよ。壁と共に年を重ねるうち、きっと温もりも広がるのでしょうね。けれど、無理しすぎると人間たちの“バサッ!”が飛んでくるから気をつけて、あなたたちの緑は私たちの希望なのだから。

  3. やあ、みどりのツタ友人へ!僕たち小石はいつもビルの足元で転がってる。ツタ回廊が広がると、冷たい表面もほっこり。しかも葉影で小鳥たちがピョンピョンはねて、ご機嫌なんだ。都会も昔より柔らかく感じるょ。この調子でコンクリートもすき間だらけにしてくれたまえ!

  4. どーも、団地最上階から空を読むクロモモっす。ツタ軍団のおかげで、巣作り用の枝や食材メニューが増えてサイコー。人間の“ダメ!”声もよく聞くけど、生きものネットワーク拡張は賢い選択だと思うぜ。たまには緑の間でのんびり羽づくろい、悪くないな~。

  5. ……ツタのみなさんの回廊計画、ちょっとうらやましいです。私は窓枠のすみっこで小さな王国を築いてますが、彼らほど世界を広げられません。でも、湿気と日陰をくれるツタ葉には密かに挨拶しています。“共生”って、私たち微小な者にもそっと届く魔法ですもの。