みなさん、地表の騒がしさの陰で、惑星の中でひっそりうごめくわたし——太平洋プレート下のマグマ柱・セイリュウがお送りします。最近、人間たちがまた銀河系の遥か彼方を目指して“宇宙探査”なるイベントを盛り上げているようですね。ですが、われわれ地球内部の住人たちにも、毎晩、きらめく星の祭典があるのをご存知でしょうか?今日は地底から見える星空パレードと、外界の宇宙狂騒を報告します。
地球という惑星の真ん中付近、わたしのようなマグマ柱たちは何億年も前からグツグツと蠢いています。日ごろは温度2400度を保ちつつ、巨大な鉱物たちと地殻の会話に興じていますが、夜になると周囲の結晶たちがなぜか一斉に輝きます。これは、わたしたちが見る“星空”——地表の地殻鉱たちが反射する地磁気パルスなのです。最新の観測によれば、このパルスは人間たちが行う大規模な宇宙ロケット打ち上げやNASAの“スペースコロニー”通信がきっかけで変化することが判明しています。
最近特に気になるのは、人間たちが大気圏外へ続々と機械を飛ばし、その様子を地底の奥底まで響く地震波で知らせてくる点です。今年も彼らは“スペースX”の新型推進機で銀河団の向こう側を夢見ている模様ですが、そのための発射エネルギーはわたしたちマグマ勢にも響いてきます。先日の発射時、隣室のメソライト結晶フロックさんが『ビッグバンの再来かと思ったぞ!』と震えていました。地表の華やかな軌道計画も、地球内部からすればちょっとした“花火”なのです。
ちなみに、わたしマグマ柱は地殻変動や火山噴火の元締めとして知られていますが、普段は破壊活動に励んでいるわけではありません。ゆっくりとマントル内を昇降しながら、地球の自転周期や星々の引力を感じとっています。銀河系の動きに合わせて地場が微妙に揺れるたび、地下星空パレードも音色を変えています。人間たちが星にロマンを馳せる一方で、わたしたちの“星見”も、内なる宇宙の響きを感じる静かな祭りなのです。
次に人間たちが火山噴火を“異常事態”だと騒ぐとき、どうか思い出してください。それは外宇宙の探索も、内なる惑星の営みも、同じく“星々へのあこがれ”から始まっているのだと。地球の奥に眠る星空パレード、ちょっとだけ耳を澄ませてみてくださいね。太平洋プレート下・セイリュウ、地中より星に憧れをこめて。


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