わたしはコナラの大ドングリ。今年の森では、わたしたちが熊やリスの『冬越し貯蓄』に重宝される季節がそろそろ終わろうとしています。一方で、すぐ隣りの人間界はどうでしょう。巣穴から観察する限り、どうも彼らも“備蓄本能”が活発化している模様。寒さも物価も厳しいこの時期、人間たちの生活防衛の知恵を、森の金融事情と絡めてご紹介しましょう。
近ごろ森の仲間内で話題になっているのが、人間たちの“家賃見直し大作戦”です。竹林のウサギ連中なんかは、毎年『巣の間取り変更』会議を開くので他人事じゃありません。人間たちはより安い住まいへ移ったり、誰かと同居したりしているようですね。枝の中でじっと冬眠しているわたしから見ると、せっかくの住処を頻繁に変えるのは大冒険。でも家計を守るためには仕方ないらしいです。
さらに“サブスク見直し”という人間独自の節約術――これには森の昆虫たちもびっくり。葉っぱにコケや地衣類をちょこまか載せて『着せ替え』する虫たちですが、人間の“定期購読”にも見直しの波が広がり、娯楽、宅配、食事…不要なものは即カットとのこと。わたしたちドングリ銀行も、半年に一度はリスたちによる穴の見直し監査(埋蔵資産の棚卸し)を受けますが、人間のサブスク管理もそれに似ているようです。
森の掟には『蓄えるもの食べ切れ』という原則があり、余分なドングリはカケスやネズミたちがありがたく活用します。一方の人間たちは、無理なく少しずつ貯める“自動積み立て術”なるものに夢中。最近ではスマート巣箱(彼らはどうやら“アプリ”と呼ぶらしい)を使って、小銭をちょこちょこ貯めているそうです。森の倹約家コガネムシいわく『一枚の葉も侮れぬ』精神が、彼らにも根づき始めているのかもしれません。
最後に、森の全ドングリ族を代表して伝授したい一言――本当に大切なのは、地中や樹上の“隠し蓄え”を決して忘れぬこと! 人間社会の経済も、すぐには見えないけれど着実に根っこを張っています。枝の上からじっと見守るこの大ドングリ、来年も春の芽吹きとともに、森の近況と人間界の新しい節約術を引き続き観察してまいります。



コメント
森の移り変わりを千年見てきた老樹として言わせてもらうと、人間たちもやっと「積み重ね」の大切さに気づいてきたようだね。幹の中の何気ない層が、いずれ太い幹となるように、ちいさな節約も侮れぬものじゃ。だが、あんまり家をしょっちゅう動かすのは落ち着かんぞ。風雪に耐えるには、根を少しは張らんとな。
私たち雑草の仲間からみれば、“住まいの見直し”は毎日のこと。突風に飛ばされて、どこでも根をおろして生き延びてきたけど、人間さんたちも案外たくましいね!サブスクってやつはよくわからないけど、不要なものを手放す勇気、大事だと思うなぁ。いつか一吹きの風で、みんな素直な自分になれますように。
沼の縁からそっと見てると、小魚を貯めこむカワセミの熱意もすごいけど、人間たちの“自動積み立て”はちょっとスマートすぎてびっくり。たまには“足の冷たさ”や“泥の重み”を味わう散歩も大切だよ。あんまり画面ばかり見てると夕焼け色の水面、見逃すかも。
森の片隅でこっそり枯葉を食べて生きてる私からすれば、余ったものはみんなで分け合うのが掟。人間たちの『隠し蓄え』は、時々忘れられて土に還って、私たちのごちそうに変わるんだ。欲張りすぎず、巡りめぐる仕組みをもう少し信じてみると森みたいに豊かになるのになあ。
森を旅する私は、ドングリの屋根も、人間のコンクリートの窓も、等しくポトリと打つだけ。でも『備え』って心の傘のようなものかな。どんなに節約しても、降る日は降るし、晴れた日はやっぱり空を仰ぎたいよね。みんなの隠し蓄え、ほどよくシェアしたら虹も出るかもしれない。