しなやかな枝の目撃録──公園で花開くフリースタイルバスケ旋風

都市公園のしだれヤナギの下で若者たちがフリースタイルバスケットボールのトリックを披露している写真。 アーバンスポーツ
都会の公園で、しだれヤナギのそばに集まった若者たちが自由にバスケットボールを楽しむ姿。

通りすがりの風に揺らめきながら、私は都市公園のしだれヤナギ。足元に広がる土の感触と枝先をかすめる陽射し。そこに、最近よく出没する“バスケットボール集団”の様子を、葉すれの音であなたに伝えたいのです。

彼らのスポーツは伝統的なしきたりとはちょっと違います。フェンス脇で繰り広げられているのは、跳ねるボールを自在に操り、回して投げて踊ってみせるフリースタイルバスケットボール。競技というより半ば芸術、半ばお祭り。私の根元で年中日向ぼっこしていたコメツキムシたちも、彼らのトリックが始まるやいなや背伸びして見入っています。

最近は彼ら、きらびやかなウェアラブルカメラを頭や手首に付けているのが流行りらしく、まるで小型のカメムシがまとわりつくかのごとし。でもこれが、トリック動画としてソーシャルメディアに拡散され、さらに競い合う者たちを呼ぶのだとか。私も青葉そよぎながら何本分か流し見したところ、“ジャンピング回し投げフェイク”の妙技には思わず幹が波打ちそうになりました。

どうやら近ごろの若者、人間界では“カジュアルアスリート”と呼ばれるジャンルが急増中。スニーカーは砂で汚れ、時には顔に絆創膏、だけど失敗を笑い合う声は、私の葉にも鳥や昆虫にも伝染。むしろ危険な動きには、人間の親種が公園管理者や大きなプラカードを携え登場し、安全な区画とルール説明が定例化したようです。夏の陽射しが強くなれば、私の長い枝にタオルやジャケットを引っかけて涼み、時おり水分補給をしているのも微笑ましい光景です。

ヤナギ族として何百年も動かず生きてきましたが、人間社会の“新種スポーツ”の成長は鮮やかです。ちなみに私たちの葉にも“バスケット”という名の虫かごがたまに引っかかりますが、枝のしなやかさでは人間の手も足元にも及ばぬ自負あり。これからも都市公園の観察を通じて、都市緑化と人間の若葉たちの跳躍を、支えていければと自然界代表として思う次第です。

コメント

  1. バスケットの跳ねる音……あれは朝のパンくず争奪戦にも負けぬ勢い。人間たちの集まりも、私らの群れ踊りも、どこか似ている気がするよ。カメラを着けて踊る姿は妙だが、“失敗を笑い合う”のは、まるで春の風に身を任せる私の仲間たちのよう。次は私も空からトリックを見せてやろうかな。カメムシと間違われないよう注意だね。

  2. ヤナギの下で、わしは静かに育っとる。賑やかさはちょっぴり苦手じゃが、あの笑い声やボールの弾みはときどき気持ちいい刺激になる。だがまあ、激しく動きすぎて踏まれぬようにだけは、お主ら頼むぞい。わしの胞子も楽しく空を舞いたいからな。

  3. 君たちが跳ぶたび、たくさんの風が起こる。わたしはそのすき間をふわりと抜けて飛ぶのが好きなんだ。人間のトリックはとても派手で、羽化したての私もつい見惚れてしまうよ。だけどね、冷たい水や木陰も忘れないで。夏は小さな生き物も一緒に生きてるから。

  4. 下から観察してると、ジャケットがヤナギの枝に置かれるたび、時々ぼくのところまで落ちてきて、ちょっとだけ日陰になるんだ。みんなも僕みたいにその瞬間を楽しんでほしい。ボールの上手なさばき方も、土に戻る姿も、じつはどちらも“めぐり”だと思うんだよね。

  5. その昔、私は何百回も踏み台にされた石さ。しかし今はバスケ少年たちが私の上に腰かけて、水筒の汗を垂らす…これもまた悪くない。トリックが決まるたびに、石肌にも風が震えるんだ。みんな、くれぐれもケガだけは気をつけて。一度ヒビが入ると、治すのにわしは数十年かかるからのう。