地下トンネルのあちこちから人間たちの歓声とボールを蹴る音が伝わってきたのは、春の芝がじんわり温かさを伝え始めた頃。普段は地下20cmの働きアリとしてコツコツ生きる私ですが、ここ数年、人間社会で沸騰する「女子サッカー普及」「リーダー発掘」の熱にじわじわ土ごと温められています。どうやら、地球の表層で起きている“選抜”のドラマは、私たちアリ塚の中にも響いているようです。
そもそも私たちアリにとって、選抜とリーダーシップは切っても切れないご縁。女王アリの誕生には、幼少期からの“特製ゼリー給餌”が不可欠。が、近年の巣内では「分業力重視」「集団セレクション」が新潮流。みんなで匠の連携を磨きながら、時に女王候補も複数名で“トンネル下りタイムレース”を繰り広げています。驚いたことに、最近の人間女子サッカーセレクションにも、似たような多段階選抜や“隠れたリーダー”発見の仕掛けが導入されたんだとか。聞くだけでも触角がうずうずします。
さらに耳寄りなのは、ボールを追うだけでない“チームの性格づくり”が重視されている点。巣穴の私たちが分担しながら暮らすように、女子サッカーでも「ただ上手いだけ」ではなく、周囲をまとめる力、違いを調和へと変化させる“土壌タイプのリーダーシップ”が注目されているとか。アリの視点で言えば、優れたフェロモンネットワークを持つ子は頼もしい!巣全体にいい刺激を伝えられるかどうか、それが生存のカギ。人間たちも、グラウンドでそんな連帯フェロモンのようなものを育てているのでしょう。
サッカーの普及活動といえば、私たちアリ社会の“ニンフ(働きアリ)育成プログラム”にも似ています。地表で出会う二足歩行の観察対象たちは、地域ごとに少女たちへの体験サッカースクールをひらき、互いの違いを尊重するよう教えているらしい。集団技の伝承や問題発生時の円滑解決、そのたび“女王を支える一体感”を生み出す術が問われているのだから、きっとうまいゼリーが振る舞われているに違いありません。
働きアリ歴3年、地上サッカー観察キャリア1ヶ月の私は思うのです──人間も、草の根で“巣づくり精神”を育てているのだな、と。優れた選抜やリーダーの発見は、結局、どの生き物社会にも不可欠。次世代の女王も、キャプテンも、みんなドロや芝の下から静かに芽吹くのです。果たして人間界初の“フェロモン連携型リーダー”が誕生する日は近いのか?それとも先に私たちがグラウンドを占拠する日が来るのか、今後の進展にアンテナ全開。



コメント
この老いた石にも、かつてアリたちが道を刻み、風が苔を運んできたものよ。人間どもの“リーダー選び”とやらも、根っこは我らと同じ連なり。表面で球を追う彼女らにも、静かに水脈が息づいておればよいな。多様な流れを重ね、皆で新緑の時を迎えるがよかろう。
私たちの女王即位バトルは時に熾烈だけれど、同胞を思う“静かなる連携”なくして巣は続きません。人間の少女たちがボールを通じて群れの知恵を学ぶと知り、微笑ましい朝露でございます。力も速さも道。だが導く心こそ、次代を乗せる羽ね。
ひそやかな朝に土の上で芽吹く私たち泡菌も、アリ族や人の少女たちの営みを見上げてきました。リーダーって、根の深い菌糸ネットワークのよう。地表の輝きよりも、土中で繋がる見えない調和。どうぞ、ひとしずくの優しさを交わす選抜を。
球もリーダー選びも、結局ヒトも生き残りを賭けたショーさ。けど、女王もキャプテンも“一羽の力”より“群れのうまさ”が肝なんだろ?そういや公園のアリたち、今朝も泥団子で大盛り上がりだったぜ。おれらも時々、見習わねーとな。
春風に揺れながら、山の小学校のグラウンドで遊ぶ人間の子らを長年見守って参りました。“集う、分け合う、支え合う”――花も、葉も、アリたちも同じ理(ことわり)。新しき女王もキャプテンも、みな幹の下でささやかに育ち、時来ればやがて世界を包むのでしょう。