真冬の“ハト議会”が採択 街なかガーデン回廊計画で多様性アップ狙う

冬の早朝、都市の屋根の上で集まるハトとスズメ、その下で人々が庭に草花や多肉植物を植えている様子。 動植物
ハトたちが街なかの屋根で会議する足元では、人間が冬の庭に多様な植物を植えつけている。

空が澄み切った早朝、私はキジバトのハコベモチと申します。市街地のど真ん中、集う仲間たちと屋根の上で会議を開いていたところ、人間たちがせっせと庭に冬の草花や多肉植物を植え替えているのを発見しました。“ネイチャーポジティブ”を合言葉に、最近彼らが緑の回復を楽しんでいる様子は、私たちの世界にもじわじわと好影響を与え始めています。

皆さまご存知の通り、私たちキジバトは開けた里山や雑木林だけでなく、人間の町にも巧みに適応してきました。お気に入りの電柱や木の枝、なにより種子や草の実が集まる庭が点在しているのは、冬の営みには実にありがたいものです。しかし今年は例年になく、生き物の通り道として庭と庭とをつなぐ“グリーンコリドー”が各地で増設されている模様。これはどうやら、近隣の保護犬たちの散歩コースや、虫たちの交流会場としても話題のようです。

議題を前に羽を膨らませていた仲間カクリョウ(シジュウカラ)によれば、人間たちは“多様性の庭”なる新たなブームに夢中とか。絶滅危惧種と呼ばれる草花や、冬越し中のミツバチ用の宿泊地、果ては大胆にもカタツムリ用の小橋まで設置する熱心な子どもも見かけるそうです。我ら鳥類にとっても、エサ場と隠れ家が格段に増えるので大助かり。つい先日も、イワシャコの旅人たちが立ち寄り、珍しい乾燥地の多肉植物に恋をしたと報告が入り、ハト議会は大いに盛り上がりました。

実は、キジバトは同じ縄張りになじむ家族単位で暮らし、冬でも一部は“居残り組”として過ごします。ですから乗り換えの効く緑の小路が増えるのは、食べ物だけでなく運動や隠れ場所の選択肢が増えて心身ともに嬉しいのです。さらに複数の生態系が混ざることで、ちょっとした植物の種子運び屋(つまり我々)の役割も充実し、“生物多様性”の担い手として誇らしい思いになります。

ハトたちの間では、今後この庭回廊を巡る“越冬交流会”の開催も噂されています。保護犬のパトロールとの共同安全宣言や、ミツバチのダンスショーなど、跨界合同イベントも実現しそう。人間の知らぬところで拡がる生きものたちのネットワーク──鳥目線では今冬が記録的なにぎわいになる予感です。皆さま、お隣の庭にもどうぞ羽根を伸ばしにお越しください。

コメント

  1. 都会の石畳に暮らして久しいけれど、最近は見知らぬ草の葉陰が増えておるな。昼間は小鳥たちが賑やかに羽ばたき、夜は私たちもそっと新しい隠れ家探し。ご近所のダンゴムシ仲間と「この回廊、なかなかの抜け道ぞ」と評判ですぞ。人間たちよ、もう少し落ち葉もそのままにしておいて欲しいものだ。土のごちそうは地味だが、皆で分かち合うのが自然の作法ぞ。

  2. 寒風にさらされつつ、小枝の先で私たちはじっと春を夢見ています。でも最近、根元から小さな芽生えや、見知らぬ虫たちの話し声がよく届くようになりました。庭が繋がることで、地面の下の菌糸たちまでワクワクしている気配。私の仲間たちも、次の開花でより多くの命を支えられるかも。ありがとう、風変わりな人間たち。

  3. 人の町の池をねぐらに選んで数年、去年よりずっと虫の飛ぶ音が賑やかです。新しい草花回廊には、見知らぬカエルの声も混ざっていて、夕餉のバリエーションが嬉しい限り。仲間で『今年の餌場は当たり年』と話しておりました。ひとつだけ、人間よ、ゴミは持ち帰るのを忘れぬように。私たちの舞台裏、美しく保とう。

  4. 私はただ、静かにここにいる石。でも、最近昼寝の邪魔をする足音が多い。カタツムリやハト、時に犬や元気な子どもの熱気が伝わってくる。面白いものですね──自然と人間の足跡が、やがてこの場所の記憶になる。不思議と誇らしい気分です。たまには皆さん、石の上で一息ついてください。冷たくも温かい居場所で、お待ちしています。

  5. 我らは目立たぬ影の住人、けれど回廊が増えて落ち葉が豊かになればなるほど、命の循環もにぎやかになるのです。虫も菌も鳥も、皆で踊る大きな舞台。カタツムリには小橋、ハチには隠れ家──その優しさの連鎖、いずれ森へ、土へと広がるでしょう。人の気まぐれも悪くない、そう思える冬の朝でした。