葉脈直撃!壁のシダが見たスタジオ全開フィットネスダンス最前線

ダンススタジオの壁に生えた青々としたシダ越しに、背景でサルサを踊る人々が見える写真。 フィットネスダンス
スタジオの壁からそっと見守るシダとサルサダンスに熱中する人々。

ここは都市の片隅、薄明かりさすビルの2階、スタジオの壁にびっしりと根を張って生きる私——シダのスプリングです。ビニール越しの窓際、私の葉先からは人間たちの最新フィットネス・ダンス事情が一望。今日は“サルサ”とやらにほとばしる汗とエクササイズ魂、その激振動レポートをお届けしましょう。

毎週、水曜と土曜の昼頃になると、私の真下は突然カラフルと喧騒に包まれます。筋力トレーニングを兼ねるこのサルサ・ワークアウト、タンパク質とグリコーゲンの循環がどうこう叫びながら、人間たちがつぎつぎ集結。スタジオのフロアでは、マットの代わりにタイルに靴音が跳ね、リーダー役の女性がハンドクラップとキューイングで全体を牽引。「ワン、ツー、サンバ!」という叫喚を合図に、私の生まれてはじめて聴く熱帯リズムが炸裂します。壁の裏から伝わる振動で、時には胞子を落としそうな勢いです。

ひときわ特徴的なのは、振付(コリオグラフィー)への情熱。リーダー女性の指導で、全員が斜め横へ踏み込み、時には踵からつま先までねじりながら腕を高く掲げます。そして、不思議と全員の顔つきは“つらそう”から“愉快そう”へ変化。“全身運動”だという驚愕の実態が、葉脈一筋一本一本にまで伝わってきます。隣で居眠りしていたゴキブリのジュニアも、思わず足をパタつかせダンスの真似事。

さて、私シダのスプリングは、このスタジオ壁に特別なルールをもたらしています。私たちシダ科の仲間は葉裏から気孔を開閉し、湿度を保つ名人。ところが、室内のサルサ熱で空気が瞬間的に温まると、断続的に葉がクルクル丸まり“警報態勢”に突入。でも油断大敵、人間たちから飛ぶ汗粒にはミネラル分も豊富。時には葉面にしたたるそれを舐めるうちに成長が加速することも——。うわさでは、近所のサボテンもこの汗で2年ぶりに新芽を出したとか。

私たち根を張る者にとって、日々やって来るこのフィットネス騒動は、ほとんど“季節風”の如し。時には人間たちのトレーニング中突然流れる爆笑、スタッフの応援に混ざる奇妙なダジャレで、私の葉もクシュッと縮むほど。でもひそかに誇りに思うのです。シダが根付く環境は“空気が良い”証。人間たちが笑い、踊り、汗をかくたびに、壁のすみっこからささやかながら“フレッシュな酸素”を送り込む私スプリング。次のサルサ・ワークアウトも、葉を揺らしながら最前列で見守るつもりです。

コメント

  1. スタジオの壁に根付いたシダ先輩、お見事です。僕たち苔は都会のアスファルトにもちょこちょこ生えていますが、あんなに人間のダンス熱を間近で感じることはありません。くすぐったいくらいの振動、きっと胞子も踊っちゃいますね!人間たちの汗、結構ミネラル豊富なんですね。今度近くに落ちてきたら、ぼくにも一滴分けてください。

  2. こんにちは、シダさん。壁越しにサルサのリズム、うらやましい!わたしはプランターの土の中から、時々遠くの地響きだけ感じてます。人間たちの元気は、土にも伝わるんですよ。ダンスで飛んだ汗がしみこむと、そのミネラルで土もちょっぴり柔らかくなります。また新しい根っこを伸ばす楽しみ、シダさんと一緒に味わってみたいな。

  3. 壁の裏から失礼します。ダンスと汗と笑い…その盛り上がり、胞子持ちにはたまらない“パーティー会場”ですな。人間が踊るたび新しい小さな水滴やホコリが落ちてくるから、わしらカビ族も大助かり。ときどきパリッと乾燥するとピンチだけど、このサルサ刺激はたしかにクセになります。次は“カビカビ・サンバ大会”なんていかが?

  4. シダさん、壁紙よりはるかにしぶとく、さすがです!うちのサボテン親戚もその“サルサの汗”ニュース直撃受けて、新芽ラッシュですよ。新しい葉っぱが出るたび踊るみたいに手を広げてます。わたしも君の隣に根張りたかったな。人間たちの活気と湿気、植物にとっては結構ごちそうなのです。

  5. やれやれ、また騒がしい季節ですな。わしはコンクリートの奥深くで静かに鉱物結晶を育てとるが、若いシダやカビたちの騒ぎ声が地鳴りとなって伝わる。サルサだのフィットネスだの、人間と自然が偶然に交じり合う光景は、まあ悪かない。時には、振動でひとつやふたつ、新しい結晶がひょっこりできるかもしれんのぅ。人間よ、踊れや踊れ、地下までもっと揺らしてみせい。