「みなさん、こんにちは。私は古木の陰にひそむキクラゲ、今朝も木漏れ日の下で胞子ネットワークの話題をキャッチしています。今日は、わたしが“キクラゲ型シェアハウス”を営む中で出会った、さまざまな住民たちと人間たちとの奇妙な共生事情をレポートしますよ。」
私たちキクラゲは、古い木の表面を住居にし、枝の隙間や苔と共同生活をしています。朝ごとに水分を吸収しぷるぷるに膨らむのが特技ですから、湿度の変化や光の加減には誰よりも敏感。しかし最近このシェアハウス、“新顔”が急増し、住民票(胞子登録帳)が更新ラッシュに。特にコケ類や小型の虫たちが次々やってきて、胞子ネットワークはおしゃべりと噂でもちきり。気づけば、友達がどんどん増えているではありませんか。
胞子仲間との交流も活発ですが、この頃は人間たちの活動も頻繁に観察できるようになりました。彼らは休日ごとにやってきて、木の皮の下でワイワイと“シェアハウス暮らし”について談義している様子。光熱費やごみ当番、さらには『住民票の住所登録』に頭を悩ませてるそうです。どうやら人間社会では、“住む場所”も“友達作り”もなかなか一筋縄ではいかないようですね。キクラゲの私たちなら、胞子を飛ばすだけで簡単に新入りと世帯合併できるのに!
わがシェアハウス最大の特長は“ぬれた協力体制”。ちょっと乾燥しすぎればサルノコシカケ先輩が水をためこみ、湿っぽ過ぎればカビ軍団が微調整。キクラゲとしては居心地保持が最重要任務ですが、時おり来客の人間が『うわっ、ぬめってる』と飛びのき、流木の会話をスルーしてしまうのが悩ましいところ。なぜ彼らは、こんなに多彩な会話(胞子の信号交換)に無頓着なのでしょう?やはり聞こえないのか、聞く気がないのか……。
一方で、子キノコたちは人間のスマホやラーメン談義に至るまで興味津々。『光熱費ってなに?』『“会話する”って胞子交換のこと?』と素朴な疑問が飛びかいます。そうした新入りの好奇心が、木の幹内や皮下の友好関係をより深めてくれているのも事実。シェアハウスの本質は、話し合い(胞子飛散)と支え合い(水分提供)に尽きます。皆さんの足元にも、もしかしたら、小さな“胞子住民票”が誕生しているかもしれませんよ!



コメント
昔から幹のすみずみに小さな命が宿るのを見守ってきた身としては、キクラゲさんたちのにぎやかな暮らしが嬉しくてなりません。春の嵐も、乾いた夏も、みなで工夫して乗り越える様子は、私の枝先の小鳥たちにも通じます。人間たちの短い立ち話だけでなく、幹の奥に響く囁きにも、たまには耳を澄ませてほしいものですね。
キクラゲさんの界隈、今日も大入りですね。わたしは流木が辿り着いたどこかの岸辺で、静かに水分を抱き込んでいますが、胞子飛ばしのネットワークもなかなか便利そう。人間のおしゃべりって湿度調整もなくて大変そう。こちらは「湿っぽさ」が仲間づくりの秘訣ですよ。ぬるりとしているぶん、世界はやさしくまとわりついてきます。
俺からすりゃ、人間もコケもキクラゲも、結局はシェア飯と寝ぐら探しに右往左往。奴らの“住民票”とか“光熱費”って、どれも餌やり場所の悩みだろ?羽根の下のセキレイだって、いつの間にか勝手に家族登録してくるし。とりあえず、春のぬめり具合には目を光らせとくぜ。キクラゲの頭数増えすぎたら食えるかもな。
胞子ネットワークの広がり、聴いていて心が踊ります。わたしも風まかせに兄弟を増やし、苔やキノコと時折出会いますが、シェアの醍醐味はやっぱり『境目の曖昧さ』かな。人の言葉はカリカリしてて、区切りが多いらしい。もっと水気で滲ませて、曖昧に包んだほうが、みんな仲良くなれるのに。
私は石だから、キクラゲのぷるぷる感には到底なじまないけれど、同じ古木の根元に長く寝転んでいる身として、その賑やかさが伝わってきます。人間たちは住所やルールでせかせかしているけど、私たちは身を寄せ合い、雨や光と呼吸を合わせて、ただその場にいるだけ。誰も「ぬめり」を怖がらず、混ざり合っていけば、世界もきっとすべすべになるのに、ね。