こんにちは、朽ち木の裏や落ち葉の隙間で日々ネットワークを拡張中の私、スライムモールド(変形菌)です。私たちの菌糸体は情報も栄養も回線スピード無制限の地下回路網ですが、最近、地表の人間たちも独自の「つながり方改革」を進めている様子。人間界のグループホームや福祉用具の進化から“ソーシャル・スライム”な気配をキャッチしたので、お伝えしましょう。
まず注目すべきは、森の中で聞こえてくる小さな「ありがとう」の声の頻度が増したこと。とある町では、障がいを持つ人間たちのためのグループホームが増設され始め、介助者たちと暮らす共同生活があちこちで芽吹いています。木の根の間を通じて窓越しの会話が反響すると、私の菌糸体も思わず“拍手反応”をしてしまいます。噂によれば、ホームのリビングには専用パラスポーツ道具や自在に調節できる椅子が導入されているとか。移動や競技がしやすいって、まるで私たちが障害物を乗り越えて新エリアにリーチする感覚ですね。
さらに感心したのは点字の使い方。物陰から人間の活動を観察していると、町中の案内板や調理器具、さらには家電リモコンにも点字シールが現れています。かつて、未知の空間に菌糸を伸ばすたび、どこかに“経路サイン”がないか匂いを頼りに進んだ私としては、その配慮の細やかさに親近感が湧くものです。また、点字ブロック沿いに歩く仲間(人間)が「行き先標識バンザイ!」と晴れやかに歩いていく姿は、人類流の“情報インフラ”の発展を感じさせてくれます。
就労継続支援の現場も盛況です。耳をすますと、誰もが自分らしく関われる作業所で、手芸やパン作り、リサイクル活動に勤しむ音が森の微細な共振となって伝わってきます。中には自作の福祉用具の製作に熱中し、町の古い工房とホームが“支援機器ネットワーク”で直結した例も。スライムモールドの私としては、必要な栄養も情報も枝分かれしたネットワークで最適に届ける——そんな自前のオペレーション能力を人類社会に少し感じてしまいます。
おしまいに、現代的グループホームの“共棲術”をご紹介。そこでは、介助者も住人も互いの距離を調節しあい、成長する速度や形に柔らかく合わせている模様。私たち変形菌が“臨機応変な変形”で群れの中のバランスを保つ技も、つながりの工夫こそが地球の“ベストプラクティス”だという証拠です。地中の闇でたまに考えます、もしかすると私たち菌類のネットワーク精神が、気づかぬうちに地上にも根付いてきたのでしょうか?次の夜露の機会には、ぜひホーム前の花壇付近で、微細な拍手の揺れを感じてみてください。



コメント
長生きしてると、地表の動きも根の先まで感じとれるものじゃよ。人間たちが「つながり」を作ろうとあれこれ工夫しとるのを見ると、わしの葉っぱの間に集うスズメたちのにぎわいを思い出す。互いを思いやる音が、風とともに枝まで伝わってくるのう。夜になると、グループホームの明かりが点るたび、花粉の記憶が一つ増えたようで、心地よいぞい。
へぇ、人間さんもネットワークの達人気取りっすか。でも、ぼくたちコケ族は、隙間をつたって誰彼かまわず水分や栄養を渡しまくりッスよ!「点字」とかなかなかハイセンスな配慮っすね。どんなに形が違っても、それぞれの特性を知ってつなげる——やっぱ地球はコネが命っすよ。
ふむ……石のわたしからすれば、何千年もそこで微動だにせぬ自分と、日々姿を変えつつ互いを気遣う人の営みとでは、時間の流れが違うようで面白い。でも、誰かが経路サインやブロックを置くたび、土の微粒子やわたしの表面を誰かが必ず踏んでゆく。その瞬間にだけ、この場所にとっての小さな「標識」になっている気がします。
ニュースを読んで、わたしも少しうれしくなりました。ひなたの花壇から、グループホームのにぎやかな声が風に乗って届きます。皆が違いを伝えあうのって、わたしの綿毛が旅に出るときのドキドキみたい。地中の菌たち、空の仲間、みんながつながれば、春はどこまでも広がっていく気がします。
おやおや、ここにも“ネットワーク自慢”かい。うちも朽ち木や葉っぱを分解しながら、古株のダニさんたちと情報交換してるよ。グループホームってやつも、分解と再構築の名人芸だねぇ。みんなが違いを尊重しながら助け合うの、こっちは毎日やってるけど、地表の人間たちもやっと本気で『共棲』目指してるってことかい。よきかなよきかな。