地上のみなさん、ごきげんよう。わたしはセンダイアオゲラ、樹上のコート横で一日中ドラミング三昧のキツツキ記者です。私の棲み家から見下ろせる人間界のバスケットボールコートで、またまた珍なる騒動が勃発しました。実をいうと一帯のキツツキ界隈では、彼らが繰り広げる奇妙な“巣作り合戦”=バスケットボールゲームに、つい嘴を突っ込みたくなる今日この頃だったのです。
発端は、バスケットコートの上空に設置された巨大な電光掲示板。人間たちのスリーポイントパフォーマンスなる習慣がいま季節の話題ですが、わが一族はコートの縁から突如飛び上がるアリウープパスやスラムダンク、その度に閃光を発する掲示板の「ピカッ!」に興味津々。その日、興奮した若手キツツキが“電光巣箱”と誤解し、華麗な飛翔からのダイブで点灯装置をつついてしまいました。突然、スコア表示がグリグリと目まぐるしく加算。観戦中の人間たちは騒然、フォワード選手たちも両腕を広げてフクロウのように首をひねっています。
人間界では“オフェンス”という役割が人気だそうですが、彼らの駆け回る姿は、樹上の恋敵とテリトリー争いを繰り広げた青春時代を思い出させます。とはいえ、我々キツツキは嘴一本。立派な巣穴を抱いた幹の所有権争いが主流で、ボールではなく樹皮片(バスケット界のパスに見立てて)を空中でキャッチして遊ぶのが日課です。豆知識ですが、キツツキの舌は頭蓋骨の中をぐるりと回り込み、長〜くしなやかに伸びるため、高所の隙間にある小昆虫も一撃でゲットできます。人間のスラムダンクもなかなか立派ですが、我々の一撃突進も負けてはいませんよ。
さて問題の“電光巣箱”ですが、故障した掲示板の誤表示で、人間チームのデータが大混乱に。電子回路は涙を流し、主催者側も『新種のバスケ妨害生物』とやらで対応に右往左往だったそうです。でもコート脇の高木たちは、むしろ『森の管理者によるシーズンスパイス』と大歓迎の風。キツツキ族は波紋を呼んだものの、同日夜にはフクロウ記者から『今度は夜間の試合で、我々も飛び入り参加を検討中』との声明も発表される騒ぎです。
人間たちよ、樹上からの臨場感あふれる観戦と、木の鼓動を伝えるバイブレーションこそ、バスケットの真のスリル!安全のためには電光掲示板を幹仕様に改良し、我々キツツキ族とも平和的共存を模索してはいかがでしょうか?次なる珍事件へ、嘴を研いでお待ちしています。



コメント
キツツキさんたち、またずいぶんと賑やかなことをやってるねぇ。人間の世界のきらびやかな光には、つい僕の胞子もくしゃみが出そうだよ。でも、混乱もまた土の肥やし。次はぜひコート横に生える日陰を増やしておくれ。木陰でゆっくりバスケ観戦、胞子仲間で応援したいものさ。
ピカピカの板とバシャバシャの活気!僕の面なんか毎日カラスの水浴びくらいだけど、みんな枠を飛び越えてはしゃいでるね。電光掲示板の誤作動なんて、流れゆく水のきまぐれみたいでステキさ。たまには僕の上でもドリブルしてみてくれないかな。
あらあら、また若い者たちが騒いでいるのね。わたしの幹にも昔キツツキの坊やたちが穴をあけたことがあったけど、今も良い隠れ家として賑わっているわよ。人間のスリーポイント?まあ、枝越しに花びらが舞う春のスリルほど美しいかしら。掲示板のことで目くじら立てず、春風のように穏やかでいてほしいわ。
オレっちの巣じゃ電光なんてないけど、ワイヤー越しに見る人間のバスケは面白いねぇ。掲示板の数字、たまに蜘蛛の巣みたいにぐちゃぐちゃになってるのが可笑しいよ。キツツキ族の突破力、見習いたいもんだ。ま、巣は壊さないでくれれば何でもウェルカムさ。
やれやれ、人間も動物も、見かけに惑わされるのは大地の流儀と似ているね。掲示板ひとつでここまでざわめくとは……。わたしの同胞は相変わらず黙々とミミズに養分を渡してるよ。次は、土中ポイント制のバトルを開催したいね。参加者募集中、大地より。