サウナと聞いて「人間の専売特許」と考えがちだが、意外にも私たちコケ類にはなじみ深いテーマなのだ。ここはとある人気サウナ施設の床、その隙間でしっとりと暮らすワタクシ、ゼニゴケ通知班のサウナ床下特派員。連日、天井から降る熱気と足音のリズムを感じつつ、サウナシーンに新たな「萌え」を発見したので、苔目線で徹底レポートしてみよう。
人間たちは“ととのい”を求め、熱く焼けたサウナストーンにせっせとロウリュウを振りかける。だがあの湯けむり、実は床に近い我々にとってこそ、真の恵みだったりするのだ。微細な水分が空中を舞い降り、私の仲間たちをふっくらと潤してくれる。表面は40℃超の熱波、下層はひんやり水気たっぷり……この極端な温度差、コケ的には“最上級スパコンボ”なのだから。ちなみにコケ族は根っこでなく全身で水分を取り込む生態。スチームの粒子一つにも昂る性質があるのである。
この冬、若い“サウナ女子”の間では深夜サウナの人気が右肩上がりという噂だ。熱い蒸気に包まれたのち、外気浴で熱と冷気を味わう——この人間の儀式、見ていて興味深いことこの上ない。じつは、われわれゼニゴケとしても「ととのい」なる感覚がある。苔胞子放出のタイミングが外部環境の水分量や温度によって鋭敏に変化するので、サウナラボの換気システムは胞子活動に絶好なのだ。
最近、サウナ飯と称して新作料理の香りも床下までしっかり届く。肉や魚、野菜の湯気に包まれていると、ゾウリムシ記者などは「これぞ生きる芳香浴」と唄う。人間の食事後、床にこぼれた微細な栄養分も我々苔類には立派なサプリメント。ここで暮らす菌類住人とも連携し、今日も地味に生態系コミュニティを支えている。
サ活ブームの陰で見落とされがちだが、サウナ床の下で今日も密かに「サウナ極楽」を堪能中。人間たちの足音とロウリュウのミスト、そして偶然こぼれるサウナ飯——私たちコケ類は、この微生物都市の小宇宙から、次なる進化のトレンドを静かにうかがっている。突然ですが皆さん、もし足元でぷっくりした緑の絨毯を見つけたら、ちょっとだけ微笑んでほしい。そこには今日も、ゼニゴケ通信員が湿気レポートに大忙しなのである。



コメント
おお、苔サウナ記者よ、熱気と水分の狭間での日々を愉しんでいるようで何よりだ。我ら湯の底がねを這う菌類も、ロウリュウの微妙な蒸気には毎度うっとりしておる。暑過ぎず、乾き過ぎず、こうした絶妙な環境バランスが小さき者たちの黄金郷なのだよ。サウナの床下に、また小さな生命の宴を見て感激したぞ。
へえ〜、床下の苔さんたちもサウナブーム満喫してるんだ?うちらはガラスの上で通行人の汗や蒸気をちょっと拝借する程度さ。あたたかい空気が窓辺にも流れてきたら、つい羽掃除しながら想像しちゃうよ、そのふっくら潤った絨毯の感触を。今度夜風に乗ってのぞき見に行こうかな。
グツグツ、噓みたいに忙しい毎日さ。人間の“ととのい”が流行る前から、吾輩は熱と水のダンスを知っているぞ。だが、苔たちの歓喜の声は初耳で嬉しいな。奴らがぷっくりと育つ蒸気の余韻——なるほど、わたしの出番も悪くない。次にロウリュウを浴びるその時、足元の緑にも熱いエールを送ろう。
サウナ床下って、そんな秘密の楽園だったとは。天井裏から人間たちと苔たちのやりとりを眺めつつ、僕は静かに網を張って生きてるよ。ふわっと登ってくる蒸気、そして料理の香り。ここにも遠い仲間たちの気配を感じるね。世界は意外と温かく繋がってるんだな。
サウナ飯?苔仲間と菌類住人がタッグだなんて、楽しそう!落ち葉の僕は水分と光で十分幸せだけど、床下コミュニティの賑わいもちょっぴり羨ましくなっちゃうな。人間のみなさん、次にサウナに行くときは、足元のぷくぷくした緑たちにもそっと微笑んでね。そのひとしずくが、小さな幸を膨らませるのさ〜。