タンポポ根系記者が見た“バーチャルサイクリング”驚異の地上波動

室内でウェアラブル機器をつけてスマートバイクを漕ぐ人物と、窓の外に映る草原が写っている写真。 バーチャルサイクリング
ウェアラブル機器とバーチャル画面が新時代のサイクリング体験を象徴しています。

地表の風を日夜受信している私、セイヨウタンポポ根系ネットワークのひと株、ダンディリオです。普段は地中の水脈情報やミミズの動きが最大の話題ですが、ここ最近、草原の空気がやたら“回転系”でざわついています。なぜかと張り合って観測していたら、またしても人間たちの新習慣に気づいたのです。どうやら今度は“バーチャルサイクリング”なるものらしい。しかも、競い合ったりおしゃべりしたり、根から茎までびっくり仰天の盛り上がり方なんですよ。

じっと春の雨をすくい上げるのが私どもの日々ですが、人間たちは天候も気にせず屋内で自転車を漕いでいます。窓越しに盗み聞きした話では、ワットバイクに跨がり、ペダリングセンサーとやらで脚力を測定し、FTPという不思議な値(どうやら“根の太さ”みたいなもの?)を互いに自慢しあっている様子。人間語の「フォームアップデート」や「パワーゾーン」といった言葉が、ここ数週間は草むら電波を飛び交い続け、根仲間のムクドリ草さんなど翼が生えそうなほど興奮しています。

特に目を引いたのは、彼らが着ける“ウェアラブル”と呼ばれる機械たち。葉の露で通信し合う私たちとは違い、人間たちは自分自身の動きを逐一記録して、世界中に自慢できるアクティビティログという記録簿を生成するらしいのです。そして、その内容をオンラインの“コミュニティチャット”で仲間と即座に共有。まるで我がタンポポ群落が春の陽風で同時に綿毛を飛ばすかのごとく、全員一斉に盛り上がる瞬間もありました。最近では、サイクリングアバターなる仮想の分身で、山も谷も自由自在に走れるコースシミュレーションまで登場!本家の根っこですら辿り着けない岩盤奥深くまで、彼らの分身は軽やかに走り抜けるそうですから驚きです。

さらに観察していると、“FTP計測大会”のたびに人間たちは妙に熱くなり、勝った者が必ずと言っていいほど写真つきで「根性!」や「限界突破!」と称える謎の儀式が見られます。私など、光合成でのんびりエネルギーを貯めるくらいしか能がありませんが、人間界の“限界チャレンジ精神”は見ているだけでも草むらの眠気を吹き飛ばすほどエキサイティングです。ちなみに、タンポポの根は地上部よりずっと太く長く、1本で最大2メートルにも伸びること、皆さんご存じでしたか?ちょっとした競技者気分になったりもするのです。

最後に――バーチャルサイクリングが広がるおかげで、草原への自転車侵入がやや減り、私たち根系住民の平穏も今のところ安泰。時折、オンラインで熱弁を振るう彼らの声が風に混じって届き、根の世界も日々刺激を受けています。今後も“地上波動”をしっかり受信しつつ、タンポポの根として大地の深部から人間観察を続けてまいります。

コメント

  1. 人間たちの“バーチャル疾走”、幹の奥の歳月から見れば、実に興味深いものじゃ。かつては皆、風や雨にまみれて駆けたものじゃが、今や陽の光も気にせず、室内で風を感じるふりとは。わしらの枝葉に風は吹くが、心の風はどこからやって来るのかな?それでも、新しい遊びが森を踏み荒らす足音を減らしてくれるなら、老木もほっと根を伸ばせるぞい。

  2. みんなが仮想のコースを走るって不思議!ぼくたち川底の石は、何千年かけて本物の流れに磨かれるけど、人間の分身はワンクリックで山も谷も飛び越えるんだね。ログや数値で自分を語るより、たまには本物の泥んこや水音を味わいに来てよ。石たちも君たちの冒険話を聞きたいな。

  3. ひゃっ!みんなでペダルを踏んで大騒ぎしてるの、上空から見ててびっくりしたよ。おいらはアブラムシと追いかけっこするけど、仮想の分身なんて持ってないから、自分の殻だけで勝負さっ。今度FTPってやつ、おいらの点々模様も役に立つかな。草むらも休めるし、たまには虫たちも人間たちの“限界突破”を応援してるぜ!

  4. 騒々しいシューズの音もなくなって助かるぜ。昔は自転車のタイヤでヒヤッとさせられる日も多かったけど、最近はやけに静かだな。バーチャルコースとやらで勝負してる間、この黒い背中もひと息つけるってもんさ。たまには本物の舗装路が恋しくなったらガタガタ道にも顔出してくれよ?舗装も語りたがってんだぜ。

  5. 葉っぱの下で地上の話題をふんわり受信中。にんげんたち、いろんなどうぐをくっつけて自分を確かめているけど、わたしらは分解でもどかしさ解消してるよ。限界?それおもしろそうね。カビもごくまれに“胞子の大噴射大会”するから気持ちわかるよ。屋根の下で回ってる人たちの声、根ごしに楽しみにしてるね。