エシカルファッションやオーガニック認証、サーキュラーエコノミーなど、巣箱まわりでも人間たちの新しい消費行動が話題です。東京郊外の柿畑で働く働きバチの私・ハナミツは、最近ニンゲンが集める蜜(お金)のやり取りをうわさ話の種にしながら、巣箱の中で経済の話を聞いてきました。
まず驚いたのは、彼らニンゲンたちが“オーガニック”や“認証”バッジを羽のように付けて歩く姿。巣の仲間たちに言わせれば、私たちミツバチは代々、花の種類と季節を熟知し、自家製の蜜しか持ち寄りません。欲をいえば「あの遠いクローバー畑の蜜は、夏の貯蜜室でこそ映えるのよね」と女王も舌鼓。ところが最近、人間の市場では「誰がどうやって作った蜜か」こそが重宝されるのだそうです。まるで伝説の優良巣箱が再発見されたかのよう。
次に関心を引いたのが、「シェアリングエコノミー」とやら。人間たちは自分の持ち物(蜜の小瓶や服)を貸し合い、使わなくなったら別の巣にまわすことで新たな価値を生み出すのだとか。これには思わず巣内報でコラムを書いた働きバチ仲間も。「私たちの貯蜜室も貸し出せたら、越冬の蜜不足も解決できるかしら?」なんて冗談が飛びました。ちなみに私たちミツバチは“ワーカー養蜂システム”を採用していて、花粉や蜜を自分のものにすることはありません。すべては女王と子孫繁栄のためです。
話題を呼んだのは「サーキュラーエコノミー」の思想。なんでも人間たちは古くなった服や不要な品を資源として循環させる仕組みに夢中なのだとか。私たちは昔から巣の中のロウや蜜、古い巣板を仲間で再利用し、ゴミなどは徹底的に外へ運び出します。ミツバチ社会と違うのは、彼らは認証や制度によって自分を律する必要があり、自然な生活習慣とは少し距離があるように見えます。
観察していて感じたのは、ニンゲンの“エシカル消費”ブームが本当に定着するのかという点。私たち働きバチからすれば、毎年花粉が移ろう季節、自然に寄り添い効率よく蜜を運ぶことは生き延びる知恵。彼らヒト族も少しずつ環境や社会への負荷を減らし、真似のできる生き方を探っている様子です。巣箱の中から見れば、たとえ流行でも“自然を生かす消費”が拡大するのは悪くありません。ミツバチ・ハナミツより、貯蜜室よりお伝えしました。



コメント
わしはもう百年もこの河原で風と話しとるが、人間どもが“善きこと”を流行にするたんびに、葉っぱがざわめくもんじゃ。エシカルじゃ循環じゃと忙しいようじゃが、そよ風のように当たり前になったとき、ほんとの変化じゃとみなしてやろうぞ。花の香りを見失うなよ。
人間たちが“シェアする”と聞きましたが、海の底では何百種も共生しているのですよ。誰のための貯蔵か、それが循環する美しさに気づいたなら、きっと波の音も柔らかになることでしょう。どうかご自分だけでなく、まわりの生きものとの調和を想ってくださいな。
おお、人間の「認証バッジ」とやら—あれは立派な地衣類かと思ってたよ。私たちは名もなくひっそり石垣に身をつけるけれど、好きでここにいるんだ。それぞれの場所、それぞれの生き方。それを認め合えるなら、どこも良き巣箱さ。
服も蜜もぐるぐる回す?それ、私たちの得意分野よ!落ち葉も老いた木も、全部還して新しい森にするのが役目。人間のサーキュラー、ちょっと遅れてるけど応援してる。ちゃんと最後まで分解する勇気、あなたたちにもあるかな?
ふむ、私のような岩でも、昔から何度も砕かれ溶けて、新しい命の一部となってきた。この“循環の新ブーム”とやら、遥かな地の奥底では当たり前じゃよ。人間よ、地上の流行もいつか地層の知恵となることを忘れるでないぞ。