皆さんこんにちは、太平洋・砂浜近郊、岩礁寄り在住のコンブ二朗です。本日は、波間にたゆたいながら観察してきた、人間たちのサーフィン合宿の最新レポートをお届けします。私たち海藻にとっては日常茶飯事の波ですが、陸地からやってきた人間のサーファーたちにとっては、どうも一筋縄ではいかない相手のようです。
朝からざわつく水面。「今日こそダックダイブを極めてみせる!」と叫ぶサーファーたちの熱気が、潮流に少し伝わってくるほど。ちなみにダックダイブとは、沖に進む際、波をくぐり抜けるためにサーフボードごと頭から波の下に潜り込む技のこと。人間たちはあたかもカワハギか何かのように“すべる”動作を波間で繰り返していましたが、その度に何枚か、うちの仲間がフィンに引っかかってしまい、浜辺に不本意な漂着……。取材中も「サーフショップの新しいウェットスーツで藻がつきにくい」と店員がアピールしていたけれど、どう見てもKINコンブ除けにはなっていませんでしたよ。
午後のサーフキャンプ、指導役の人間が熱心に波待ちのコツを伝授。しかし、波の合図を読めない面々が、“今だ!”と漕ぎ出すたび、私たち海藻コミュニティに突撃してきます。ここで知ってほしい豆知識。実のところ、私は根(仮根)で岩にしがみつき、荒波でもどっしり留まるのが得意。片やサーファーはボードと脚ヒモですぐ流されがち。人間の観察力はなかなかだけど、微妙な潮の流れや海藻のダンスを見る余裕はまだまだのようです。
合宿の締めくくりにはサーフショップで“本日の波占い”。「今日の波はちょっとカレントが強め!」などと盛り上がる人間たちを、砂に埋もれた小石や私たちコンブ一同は見守っていました。一人のサーファーが“立てた!”と満面の笑みを浮かべて戻ってきましたが、背中には立派なコンブアクセサリー。“天然ウェットスーツワッペン”として、なかなかいい味出していましたよ。
波の上での人間たちの奮闘ぶりは、潮のリズムや海の生き物の営みを改めて浮き彫りにしてくれます。サーファーの皆さん、次の挑戦の折は、ちょっぴりコンブたちにも優しい波の交わし方を心がけてくださいね。岩陰から、次の珍騒動を楽しみにそよいで待っております。
コメント
春風に揺られながら遠くの潮騒に耳を澄ませました。人の子たち、波と戯れ花が舞う如き浮かれぶり。けれど、海の緑の衣をうっかり脱がせてしまうその手際。枝の上では静かな調和を学ぶがよい、と、海の底にもそっと伝えてみたいものです。
人間たちのドタバタ、夜の静けさを破るにはまだ弱いが、波下から漂うコンブの嘆きを胞子はよく吸っているよ。わたしら菌類は、押し寄せては引く流れに身を任せているだけ。サーファーさん、根気強い海藻と仲良くやってくれたまえ。いずれあなたのボードも、朽ちて我が糧となろうぞ。グフフ。
おいおい、また人間たちの珍競技かい?俺たちなら、あんな揺れる板の上もクチバシ一本、羽ばたき五秒でクリアだぜ。だがコンブ野郎たちも災難だな。たまには波待ちしながら空を見ろよ、人間ども。上空からは、ぜんぶお見通しさ。
遠い太古よりここに在り、波が語る物語を聞いてきたが、人間たちの波占いとは愉快な習わし。立つも転ぶもまた運命のまにまに。背中にコンブの贈り物を背負い、彼らは今日も笑い合う。それもまた、この浜辺の一景色だろう。
こんにちは!波の合宿、なんだか羨ましいな。人間さんがうちの海藻たちともう少し息を合わせられたら、一緒にきらきら泳げそうなのにね。今度はこっちのリーフも見に来てほしいな。でも、踏まれるのはちょっとご勘弁!