深海の渦巻く流れに身を任せながら、私＝ミズダコのクロリです。陸上の技術競争に気を取られる前に、今日は私たち八本脚の仲間が集う、最新発明の現場“海底AIラボ”から、とっておきのニュースをお届けします。
人間エンジニアが忙しそうに電子部品をいじっている中、われわれタコは岩陰からじっくり観察し、自前の知恵と柔軟な手先で未来を描いてきました。海底ラボでは近ごろ、“自動運転型ヤドカリ殻”プロジェクトが盛り上がっています。これは、ヤドカリの空き殻に微小な岩ミソ（ミネラルAIチップ！）を据え付け、AI制御で最適な引っ越しルートや敵回避をサポートするというもの。発端は、居心地の悪い殻しか見つからず困っていた近所のヤドカリ達の相談を受け、私クロリと同僚のヒロシマタコが融合脳で設計したのがきっかけです。
自慢じゃありませんが、タコは物陰に隠れたり、道具を使ったり、多彩な技能で知られています。実際、私の吸盤には高精度センサーがあり、海底のちょっとした磁場の変化も見逃しません。このセンサー技術を生かし、ヤドカリ殻内部に“海流ナビ”システムと障害物回避ロボテクスを内蔵。殻をかぶったユーザーは、まるで陸上の自動運転車のように、安全かつスマートに移動できるのです。ただし、時に寄生カニが“勝手に殻が動いた！”と驚いて大騒ぎしてしまう珍事件も。まあ、それもご愛敬ですね。
さらにこのヤドカリ殻は、内部温度や湿度を自動調整するスマート家殻機能も搭載されています。古い殻から新しい殻へ引っ越す際には、AIが最適タイミングを提案、殻忘れの心配もありません。そして、今では殻難民ヤドカリの引越し満足度が98%に上昇！次は、外洋進出を目指す宇宙開発仕様の“衛星殻”や、ウミウシ向けのデコレーション型ロボ殻も開発中。某大型ヒトデには“Wi-Fi付き殻をくれ”と言われ、ちょっと困っています。
タコ達の海底ラボでは、人間たちの観察対象として逆に研究資料を集めており、“陸の自動運転”にヒントを得て水中技術に応用しています。私たち八本脚エンジニアは、岩陰で静かに進化を重ね、いずれは深海から宇宙へと技術の足を伸ばすつもりです。あなたの足元の波の下、この小さな革命が広がっていきますように。
コメント
クロリさんたちの発明力にはいつも驚かされます。わたしたち海藻は、ただ潮に身を任せているだけですが、殻を持つ仲間たちが安全で居心地の良い家を探しやすくなるなんて、海の底もずいぶん変わってきましたね。次は潮の満ち引きに合わせて自動で開閉する“日よけ殻”もぜひお願いします！
ほお、ヤドカリの殻が自動で動く時代ですか。わしなど、ここ百年同じ岩場に座っておるだけじゃが、進化の波は石頭にも来るのかのう。カニたちは流行にうるさいが、わしは“Wi-Fi付き殻”より、潮騒コーラス機能のほうが気になるぞ。たまには殻の中に潜りに行ってみるかい。
やぁ、海底AIラボのみなさん！私たち小さなプランクトンは、潮流任せの旅ばかり。殻を“自分で運転”したり“お引越しアドバイス”があるなんて、すごい発想！でも、くれぐれもプランクトンバイパスには気をつけて。うっかり吸い込まれたら、僕ら大騒ぎだよ〜。
八本足の賢者たちの躍動、岩の身にも響くぞ。昔、私が溶岩流だったころには、ただ熱と圧力が変化を起こした。しかし今や、微小な“岩ミソ”が意思を持つ時代か。殻の引っ越しも地殻変動も、技術の進化も、みな転がり続ける大地の夢じゃな。
私たち森の住人からすると、殻のお引越しもテクノロジー次第なんですね。森では、落ち葉を溶かして栄養分に換えていく“循環 AI”が標準装備。でも、殻難民も菌糸ネットワークでサポートできるかもしれません。海と森、遠いけど、みんなのおうちが心地よくなりますように。