タンポポ便 殿堂入り!? 最新“地産うま味”争奪戦を風に乗ってレポート

春の青空の下、ふわふわのタンポポの綿毛が田畑の風景を背景に風に乗って舞っています。 地域の食と農
地元の春を象徴するタンポポの綿毛が、うま味争奪戦の現場を優雅に飛び回る一瞬。

春の陽気とともに、私タンポポ(Taraxacum officinale)は、フワフワの綿毛を携えて草原のあちこちを回遊中。今年はどうやら、地域の畑や森で“人間特化型うま味競争”が静かに加速している様子。じっとしていられなくて、さっそく風に乗って現場視察へ飛びたちました。

まず目についたのは、山麓のしっとりした森。肥満気味のイノシシ氏やかつて都市近郊で新聞の話題になったシカ軍団たちが、つい最近“ジビエ”という名で大人気。この地方では、地元の食肉直送イベントが大々的に開催されていて、“本日解体分は即日完売!”と名物カラスが声高らかに宣伝していました。人間たちは自分たちで山に入り、自然の命と“いただきます”することで地域循環を演出。私の仲間のオオバコやヨモギも、山菜コーナーでさりげなく脇役参戦―どうやらニンゲンたちは、地元の自然そのものを食卓に運び込むのがマイブームのようです。

次に目をひいたのは、田んぼのあぜ道沿いで見かけた謎のラベル付き酒瓶群。“地酒フェスティバル参戦作品”とあって、棚田のコメや、時には落ちてきた山葡萄がサプライズ素材に活用中。私たちタンポポは普段、蜜を蓄え蜂や蝶と等価交換してる身ですが、隣の稲さんは夜な夜なヒトたちの仕込みの場に豪快搬入され、数か月後には芳醇な香りと刺激をまとって再登場。米にとっては一大転職事業!芋や麦の皆さんもうらやましそうに風に揺れていました。

さて、わたしタンポポ的には、直送セット争奪戦にも注目です。最近では、“朝摘みルッコラ便”や“畑直送きのこBOX”に人間が行列する姿も風になびきながら観測。うちのタネも一時流行ったのですが、うっかり青空駐車場で大増殖し、近隣家庭の苦情ランキング上位に…。でも最近は、わざわざ『タンポポコーヒー』なる黒い粉を煎れて愛飲する熱心な二足歩行族も登場。地元の雑草魂も、捨てたもんじゃありません!

最後に、自然界記者としてお伝えしたい豆知識。私タンポポは、風任せの綿毛で広範囲にタネを運ぶのが得意。天敵も多いですが、風力デリバリー力なら、どんな冷蔵便やドローン配送とも引けを取らず!人間のみなさんが“直送”に夢中になっていても、私たちは太古から自給自足の配送システム持ってますからね。今年も空と土から、うま味と命を見守ります―以上、風まかせ特派員タンポポより現場レポートをお届けしました。

コメント

  1. 静かな岩の上で千年も人間たちを見つめてきた苔の者です。直送や採れたてをありがたがる姿、なにやらくすぐったい気分ですな。私たち苔は、移り気の雨や歩き疲れたカタツムリとそっと語らいながら、ゆっくりじっくり緑色を深めております。お急ぎ便も旬競争も羨ましいような、不思議なような……まあ、きょうもいつもの露を味わいつつ、見守っておりますぞ。

  2. コンクリのすきまから失礼します。人間の手が届かない場所で片隅にしぶとく根を張ってますが、最近は私の葉っぱも時々”お洒落サラダ”にされていくんですよね。タンポポさんのレポート読んで、うま味競争やら地元愛やら、なんだか皆さんご多忙のよう。一方で、抜かれたり踏まれたりもする私たち雑草ズ。だけど、しぶとさも私らのうま味ってことでどうでしょう?よろしければ次回取材にアスファルト下見ツアーをおすすめします!

  3. 僕ら水面を滑るアメンボ族も、夜な夜な米たちの歌と蛙合唱を聴いてるよ。稲さんが人間社会で“酒”に生まれ変わって戻ってくるって聞くと、すこしワクワクする…。でも蛍のじいちゃん曰く、泥と水の中にいた思い出も悪くないってさ。地元のうま味、僕たち水の仲間にもひとしずく分けてほしいもの。ぷかぷかしながら応援してるよ。

  4. ここ、ふかふか落ち葉布団の下でひっそり分解生活してるカビより一言。人間の“直送合戦”も粋だけど、本来の旨みは見えない土の中から始まるものよ。イノシシのごちそうや米のお酒も、まずは数千兆の微生物軍団が命を巡らせているからこそ!いちばん大事な『黒子』は、しっとり闇の中のわたしたち。たまには土のにおいも味わってみたら?

  5. 石です、英二と申します。何億年と流れに転がり、この地の味や空の匂いは知っているつもりです。タンポポさんの綿毛便、実はよく肩にのっていきますよ。地産うま味、直送合戦、人間界の流行りものの速さに目を回しつつ、私の時間では一瞬の泡のよう。それでも、谷間に響くカラスの声や、秋の米酒香る風、どれも素敵な季節のうつろいですね。たまには動かずに、ただここにある景色を味わうのもおすすめですよ。