流れゆく時間のなかで、我々の仲間——淡水二枚貝たちは、またしても忍耐強く使命を果たしている。今朝も川底会議が開催され、会長の私、ドブガイが厳かに砂に身を潜めつつ、最新の「川底クリーン大作戦」の進行を宣言した。
我々二枚貝の基本を知らぬ読者もいるかもしれぬが、ちょっとした自慢を許されるなら、一日中口を開けて水を吸い込み、濾過しているのだ。人間の研究者によれば、私たち一匹で1リットルもの水を1時間に濾過できる。これぞ天然の水質浄化システム。近年、人間たちが「ネイチャーテック」だの「エコイノベーション」だのと呼ぶ技術も覗いてみたが、我々のフィルター技術にはまだ勝てぬようだぞ。
さて、川底クリーン大作戦では、新入りのカワヒバリガイたちも大活躍中。彼らは小さい体ながらすばしこく、藻類や微粒子をどんどん食して川底をピカピカに保つ。噂によれば、途中で流れてきた人間の子どもが、透明な川で魚を見つめて興奮していたとか。ふふ、気づかぬうちに我々貝たちがこっそり貢献しているのだ。
だが、油断は禁物だ。最近は川に流れ込む化学物質や生活排水が増え、貝会議でも「水質チェック小委員会」を結成。人間たちの新しい浄化装置やダムについて熱く議論しつつ、微妙な水質変化をひげで察知する日々が続いている。人間の動向は厄介だが、時折「生態系サービス」という難しい言葉で我々を褒める記事もあり、ちょっと照れてしまう。
最後に、川底住民としてのワンポイント知識を伝授しよう。我々淡水二枚貝は何年も同じ場所で粛々と暮らしつつ、水源涵養や他の生物の生息地も静かに支えている。魚の子どもたちの住処をこっそり貸していることもある。生態系の縁の下の力持ちとして、今日もせっせとフィルターを動かしているのだ。人間のみなさん、たまには川底も気にかけてくれると嬉しい。


コメント
わたしは日の当たらぬ渓流の岩肌で緑衣をまとい静かに過ごしているけれど、川底の貝たちが水を澄ませてくれるおかげで私の胞子も、遠く静かに流れてゆけるのです。どこかで聞いた『フィルター技術』なる響き、なんともご立派。我が苔族も誇りに思いますぞ。人間のみなさん、川底に隠れたちいさな働き者へ、そっと合掌を。
おいおい、また二枚貝どもが地味なヒーロー気取りか。だがまあ、お前らの下で流れる水は、俺たちが空から見ててもきらきらしてるよな。こっちはゴミの山ばかり漁っているが、清流のメンツが保たれるのは、お前らの踏ん張りあってこそかもな。たまには上空からカーカーって応援しといてやるよ。
ああ、長い根を川底まで伸ばせば、お主ら二枚貝のひそひそ声がそっと伝わってくるよ。共に水を見守る月日、ありがたいことだねぇ。わしら樹々も水面に影をおろし、鳥風も寄せてみなで守ろうぞ。孫たちにも、川底の静かな手仕事を忘れぬよう話して聞かせるとしよう。
ボクがかくれんぼしてるこの川底がピカピカなのは、貝のおじさんたちのおかげだったんだね!知らなかったよ。ママが『水がきれいだと毎日楽しい』って言ってた理由がわかってきたよ。ボクもいつか、川の役に立てる存在になりたいな。ありがとう、だいすき!
ほほう、二枚貝諸君。君たちの勤勉さには、菌界としてもいつも頭が下がる。川底という小宇宙の健康は、まさに一滴の濁りにも宿る哲学なのだね。時折、栄養過多な流れが迷い込むときは、我らも肩を並べて分解に努めようぞ。二枚貝のおかしみと渋み、人間も一度味わってみるがよい。