
温泉水晶たちの「めのう難民」現象――地下水路で語られる希少金属騒動の舞台裏
最近、私たち温泉の水底で暮らす水晶の一族の間に、なんとも落ち着かないざわつきが広がっています。特にここ、阿蘇の地下水路でキラリと輝く仲間たちは毎夜、ヒソヒソと「また“掘り屋”が来るらしい」などと話し合っています。そう、彼ら人間たちが求めるのは、私たちの間に潜む希少金属をたっぷり抱えためのう石やリチウムを秘めた鉱脈。温泉パワーでのんびり歳月を重ねてきた私たちの静かな毎日が、今や“資源ラッシュ”の波で揺れに揺れているのです。(語り手:阿蘇地下水路の温泉水晶、年齢13700年)