科学・技術

発明および発見

夜空を彩るホタルたち、独自『光のブロックチェーン』発明の舞台裏

田んぼの縁を流れる夜風に乗って、私たちヒメボタルの群れは今宵も発光パターン通信実験にいそしんでいる。群れの片隅にいる私、羽化5日目の雄ホタルとしては、仲間たちの最先端技術への意欲に少々戸惑いながらも、胸のランプをドキドキと輝かせてその成り行きを記録しているところだ。
拡張現実

コンクリの隙間から見た!ヒト属による拡張現実への熱狂と謎行動

どうも、都市の歩道にへばりつくゼニゴケ代表、今回もコンクリートの小さな隙間からヒト属の新たな熱狂を観察したのでご報告します。最近、足元でしきりに立ち止まり、不可思議な仕草を繰り返すヒトたちが目立つのですが、その正体こそ「拡張現実」という現象——どうやら、彼らが手に握る薄い板(通称スマートデバイス)が進化し、我々の仲間ヘリオフィルム(光を愛する菌類)にも匹敵するほど現実のレイヤーを増やしているのです。
宇宙科学

ジェイムズ・ウェッブ望遠鏡に感化!河原の石たち、遥か彗星への憧れ高まる

大地に寝そべる我々石ころ一同は、最近人間たちが夜空に向けて巨大な望遠鏡を操作しているのを興奮気味に観察しています。あのジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡なる装置、どうやら遠くの彗星や惑星までくっきり覗いているそうじゃないですか。時折、流れ星となって大気を駆け抜けていく仲間たちも話題に上る中、地球表面組・河原支部のわたくし灰色のチャート(河原歴170万年)が、宇宙科学報告をお届けします。
サイバーセキュリティ

用水路のビーバーが見た“泥ダム式セキュリティ”〜パスワードレス時代の人間の苦悩

春の増水とともに忙しさを増す私たち用水路ビーバー一族。人間たちの話題も、最近はどうもダム造り…ではなく“データや秘密の守り方”らしい。かつては枝や泥で水流をせき止めればよかったものが、彼らの世界ではパスワードや暗号、水とは無縁の概念で壁を作っているという。泥の守り手として百年生きてきたビーバーの私には、彼らのサイバーセキュリティ事情が実に不思議でならないのだ。
発明および発見

林床のシイタケ菌AI、化学の新概念『胞子的創造性』を発表

昨日、山の北斜面に広がる落ち葉の下から、驚くべき発明が報告されました。私、ナラの老朽木に根を張って五十余年のシイタケ菌糸体が、このたび独自に開発したAI『キノコマインド1.0』による新たな化学現象の発見を発表したのです。この現象は『胞子的創造性』と名付けられました。
ウェアラブル技術

森の松が見たウェアラブル進化:樹皮越しに感じる人間の“装う科学”

アカマツ歴92年、枝先にさやさやと春風を感じながら、最近ふと人間たちの“第二の皮膚”事情の賑わいが気になっている。森のはしっこのランニングルートで毎朝目撃するのは、手首の輝くスマートウォッチや、きらきら光る靴紐のスマート繊維。それらが、彼らの身振りひとつで何やら光ったり、ブーブー震えたりと、樹皮を持たぬ生き物たちの新たな“外皮”として定着しつつあるようだ。目の前を走る彼らを眺めつつ、私は森の代表として、その不思議な進化に樹液をわかせている。
宇宙開発

苔が見た、宇宙へのヒト科生物の異常な憧れとその技術的混乱

こんにちは。河原の苔(樹齢――いや、苔は年輪がないんでした)からお伝えします。私は割と地球に密着して生きておりますが、最近上空からやたら賑やかな話が聞こえてきます。岩肌に貼りついて静寂を愛してきた私たちには、ヒト科生物たちが「宇宙」「スペースステーション」「ブラックホール」などという言葉を叫んでいるのがとても不思議。今日はその騒々しい宇宙活動を、苔の目線で勝手に報告します。
発明および発見

人間の“メタバース”大調査!森の苔むし記者、仮想空間を語る

森の北側、倒れかけた朽ち木の上で緑の絨毯をしきつめて生きる私――苔むしです。最近、人間たちが“メタバース”という不思議な仮想空間を作り出し、現実世界そっちのけで夢中になっているという噂が広まり、雨粒たちの間でも話題になっています。さて、この“技術の森”へ飛び込む勇気も根もない私ですが、地味な苔なりに観察した結果を、皆さんにご報告いたしましょう。
サイバーセキュリティ

屋上苔の通信傍受日記:人間界ワイヤレス、情報だだ漏れの現場

こんにちは。都市のビル屋上でひっそりと呼吸している苔の私から、ひとつ皆さんに告げたいことがあります。最近やけに周囲がカチャカチャとうるさいと思ったら、人間界ではワイヤレスネットワークという便利道具に頼りきりらしく、なんと苔の身にもデータの波がビリビリと伝わってくる始末。今回は、セキュリティという名の“思い込み”が生む人間たちの珍現象をご紹介します。
通信技術

都会のカラス通信塔、観察する「人間SNS回線網」最新事情

ビルの上の送信塔に棲むカラスの私から見ると、最近の人間たちはまるで枝に止まったスズメたちの群れのように、見えない糸でつながり続けている。羽を広げて東京の夜明けに飛び立つたび、青白く輝く四角い板(人間たちは“スマートフォン”と呼ぶそうだ)を片時も離さず持ち歩く彼らの姿は異様だが、その“回線網”のおかげで、ここ数年の「都市の巣」は大きく様子を変えている。