宇宙探査 ホタルの渓谷通信:夜空の観測競争、ひかり虫の眼に映る宇宙望遠鏡最前線 湿った夜風にのって、人間たちの天体ショーが今夜も始まる。ここは私たちの住処――葦の谷間――ホタルの一団が、川辺の草に明滅しながら人間たちの星見合戦を静かに見守っている。どうやら彼らは、遠い銀河の向こう側まで見えるという新型宇宙望遠鏡を空へ送り出す計画に夢中らしい。 2025.08.19 宇宙探査
宇宙探査 苔むす岩、宇宙を語る――ヒジキゴケ視点の「人間星渡りウォッチ報告」 皆さまごきげんよう!火山性玄武岩の上で長くヒジキゴケを営む私から、地球の“外”を目指す人間たちの最新奇行をお届けします。根も葉もない、といいますが、苔である私は根も葉も本当に持っていません。ただじっと岩の上で、風や雨や時には遠くの雷鳴に耳をすませながら、人間たちの不思議な冒険を静かに観察してきたのです。 2025.07.26 宇宙探査
宇宙探査 火星の砂利から地球へ:人間たちの「星渡り」にザラザラ記憶がざわめく この小惑星クレーターでじっと寝そべって数億年、ついに地球からきた機械がうごめき、背中をゴリゴリ削られたり写真を撮られたり。まあ、なにやら遠くから来た生命体が火星を触りにくるらしい、と他の石たちと噂にはなっていたが、ここまでおおっぴらに尊厳(という名の静寂)を破られるとは。砂利一粒、火星生まれの筆者から報告する。 2025.04.17 宇宙探査