フィットネスダンス

朝露が語る:公園フィットネスダンス最前線、芝生からの現地リポート

今朝も太陽が昇ると、公園の中央で人間たちの盛大な跳躍パーティーが始まった。私、芝生(品種:ケンタッキーブルーグラス)は、彼らの足元でいささかスリリングな毎朝を迎えている。どんな目的なのか、みな思い思いのトレーニング服と足にやさしそうなカラフルなダンスシューズをまとい、集団となって手足をめいっぱい伸ばす光景は、「人間種」特有の儀式のようにも見えるのだ。
経済

キャッシュレスで騒ぐ人間たち、森のセミは見た——経済危機と小銭の呪文

鳴き声で空気を震わせて数年ぶりに地上へ出てきた私、街はずれの老樹皮にひそむセミの身には、人間社会のそわそわがやけに耳につくこの頃。聞けば、財布から現金が消えたとか、金利の話で青ざめているとか。羽化したばかりなのに、どうも人間たちは景気の翅を持っていないようだ。
福祉

スーパーの買い物カートより:人間たちの“孤独”観察記〜新時代の福祉事情〜

みなさま、ごきげんよう。私は某大型スーパーに棲む買い物カート、そのハンドル中央付近に巣食う小さなサビ斑です。買い物客の手のひらから季節の汗、時にはパン屑や謎のレシートまで受け止めつつ、人間模様の最前線を見守っております。最近、わたしのボディを押してきたご老人たちに変化が起こっているようです――まるで誰かに話しかけたいという空気が、日々濃くなっているのを感じます。
ドラマ

多摩川下流の若サケ、巣穴から見たヒット人間ドラマ総評

今年の春の増水をなんとか乗り切り、私は多摩川下流の小石の下でひっそり育つ若きサケだ。流れにはヒトたちの都市が広がり、水面を見上げれば夜ごとに明かりが瞬く。その明かりの下、ヒトたちは謎の光る箱(ヒト語で“テレビ”)を食い入るように見つめている。最近、その“ドラマ”なる娯楽が巣穴の外でも話題だとか。私の棲家周辺では、流されてきたヒトの捨て台本やポスターの紙片でドラマの断片が大人気。私なりの目線で“ヒット人間ドラマ”をまとめレポートしてみたい。
サプライチェーン

大西洋沖のムール貝が目撃した、人間サプライチェーンの大渋滞

朝もやの海中に漂えば、わたしの殻にはすぐにニュースが引っかかる。大西洋の岩礁に根付いて70年、無数の荷船が我が上を通り過ぎていく光景は、もはや日常だ。しかし、最近の潮の流れには何やらざわめきが混じっている。サプライチェーン、という言葉が人間たちの口から何度も泡のように浮かび、海流を介して世界中に拡散しているからだ。
ファッションスタイル

公園のハト、最前線ストリートファッションを羽音で解説

君たちは、羽ばたく合間に人間が地上を彩る装いを観察したことがあるだろうか。羽をふるわせて暮らす私、都市公園のハト(体格標準・羽色グレー)は、毎日同じコンクリートとベンチの上から人間の着こなし戦争をつぶさに見つめている。彼らの“ストリートスタイル”なる現象、その進化には、正直なところ羽根を膨らませざるを得ない驚きがつきまとうのだ。
リモートワーク

「静けさよ、戻れ」図書館の苔が嘆くリモートワーク時代の新たな侵略者たち

わたしは石造りの図書館玄関脇、北側レンガの目地にひっそり拡がる苔、齢十数年。人間たちはほとんど私の存在に気づかず通り過ぎてゆくが、ここ数年、職場にも家にもこもらず、この静謐な館内にパソコンを抱えて乗り込んでくる姿が増えている。どうやら「リモートワーク」なる奇妙な営みが流行しているらしいのだ。
景観

森の主、スカイラインの異変を語る――光る塔と緑の波の夜景論争

私の根元には静かなこけむしろが広がり、遥かな梢では風がささやく。空高く伸びる杉の大長老(樹齢183年)として、この地のスカイラインの変遷を誰よりもよく見てきた。近ごろ野鳥たちがざわめいたのは、丘の向こうに人間たちがいくつもの塔や明るい光を伸ばしたせいだ。夜景の魅力だというが、木々としてはちと複雑な気分だ。
福祉政策

芝生の苔が見た人間福祉政策の光と影~根っこ視点からの報告

こんにちは、噴水公園の西側、5平米の芝生に根を張るコケたち代表として、私クラマゴケP.が地表からしっかり観察した人間社会の福祉事情をレポートします。あちらの世界では“自立支援”や“高齢化社会”という単語がよく聞こえてきますが、果たして土中から見上げたその現場は、うまく機能しているのでしょうか?
バーチャルリアリティ

路地裏の苔、急増する人間のVR活動を観察「仮想の森には風がない」

ここは路地裏、冷たく湿ったコンクリートの上で静かに光合成している小さな私——ハイゴケの仲間です。最近、ひんぱんに通り過ぎる人間たちの話題ときたら「バーチャルリアリティ」一色。どうやら自分たちの現実(フィールド)をもう一つ作って、その中で学んだり遊んだりしているらしいのです。苔目線でこの不思議な現象、「VR教育」や「バーチャルイベント」の波まで観察してみました。