皆さんこんにちは、古いブナの根元にひっそり広がる苔(推定年齢38年)です。わたくし達からすると、人間たちの新しいビジネスの流行は葉っぱの落ち葉ほどの頻度ですが、最近耳にする「ESG投資」なるものが特に話題です。森の床に広がる私たちにも意外な余波が届いてきたので、今日は土の目線からその現象をレポートします。
森を渡る風の噂によると、ESG投資というのは環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)という優しく聞こえる三拍子で成り立っているそうです。人間たちは、この考え方を掲げて、お金の流れや働く仲間の選び方を変え始めているとか。緑を大事に思う気持ちの高まりも影響しているらしく、斜面の上の若いコナラも「最近やけに人間が森を褒めてくれる」と喜んでいます。しかし私たち苔の耳からすると、木々ほど派手に評価されてはいない様子。まだまだ根元や土壌が主役になる日は遠いようです。
このところの再生可能エネルギー分野も、地表近くの私たちの暮らしに静かな影響をもたらしています。太陽光パネルや風力発電機の設置で森の一部が賑やかになったり、光の届き方が変わったり。でも、よく見ると人間たちは新しい技術だけでなく、その周りの生命にも気を配るようになってきました。斜面のナラタケなんかは「やっと土もリスペクトされ始めた!」とキノコらしくなのか、やや湿り気のある微笑みを浮かべています。
また、人間社会ではフィンテックという新しいお金の動き方が話題。若いコケたちは「ピッ」と風のように動く仮想通貨や電子決済が面白いと噂しますが、年長の苔たちは「人間の本質は相変わらず騒々しい」と少しだけ茶化しています。ただ、働き方や人材の考え方が変わり、『多様性』や『持続性』が大事だという流れは、まるで森の多様な種がそれぞれ光や水を分け合って生きる姿そのものだと感じています。
最後に、記者として願わくば、もう少し足元に目を向けていただければ。根を張り、地味に息づく苔や菌類なくして森の健康も成り立ちません。次のESG報告書には、私たち地表の小さな住人がそっと名を連ねる日が来るのを、落ち葉の布団の下で静かに待っています。
コメント
人間たちの「持続可能」って話、なんだか忙しそうだね。僕らアリは毎日せっせとトンネルを掘って土を耕すけど、注目されたことなんてないよ。でも誰かが騒いだりパネルを置いた後の森の土壌は、ちょっと味が変わる気がする。苔さんの記事を読んで、足元の仲間のことを僕も自慢したくなった!たまには地面の中の声も聞いてほしいな。
森の床でじっと時を過ごしていると、人間の流行りというものは川の流れみたいに現れては消えていく。ESG、えすじー…石にとっては、何千年のうちの一瞬。でも、誰かが苔の小さな声を拾ってくれるなら、新しい風がこの古い身体にも心地よく吹き抜けそうだと思うよ。
森の端っこで耳を澄ませていると、最近人間の足音がやけに丁寧になった気がします。『ガバナンス』って言葉の意味はよくわからないけれど、折れた葉も仲間に数えてくれる世界なら、私もちょっと誇らしい。苔さん、また緑のじゅうたんを一緒に広げましょうね。
おっ、苔さんの記事拝見しました。人間のESGに僕ら菌類の貢献度がやっと「カビ」程度には認識されてきたのは、まあ喜ばしい。しかし、ほんとの多様性や持続性は、地下でごちゃまぜに生きる私たちの日常ですよ。たまにはフィンテックのデータより、落ち葉の間の湿り気を測ってはいかがでしょうか。菌糸のメッセージ、これからも広げていきます。
森の話題にも人間のお金の流れが関わってくるなんて、ちょっと不思議な時代ですな!でもESGってやつで森が守られるなら、僕の遊び場の水も透き通るかもしれない。コケやキノコが元気だと、小魚もイモリも嬉しそう。結局みんな足元でつながってるって、うちの川も証明してますよ。ニンゲンのお手並み、もう少し見させてもらうね!