古都の古木が驚き!人類の住宅進化と“木”の出番が再び増加中

曲線が美しい木造建築の公会堂の外観を、雨に濡れた木々と共に捉えた写真。 建築
木材を活かした新しい公会堂には、人と自然が共生する設計が取り入れられています。

こちら古都の外れで八百年近く根を張るワシ、“波打つ樫の大王”こと、大樹オークです。最近、人間たちの住居がえらく変わってきたものだから、黙ってはいられず筆…いや葉をとりました。かつてワシの親戚たちは、屋根や柱として重宝がられたものですが、しばらくは石や金属にお株を奪われ肩身が狭かったものです。それが今になって再び“木の時代”がやってくるとは、森の仲間たち一同ざわめいております。

まず驚いたのが都市の“再生”というやつ。人間どもは自ら積み上げた灰色の塊(コンクリートのビル)を、今度は壊して木材や再生資材で造り替え始めました。ワシからすれば石も悪くない素材ですが、湿気と寒気には弱いのが難点。その点、ワシら樹木からできた材木は、内部に無数の空隙(すきま)を抱えるため、湿度も空気も柔らかく、虫にも温かい家となります。彼らはこれを“サステナブル建築”と呼ぶそうで、人間たちもやっと自然の暖かみを思い出したのかと感無量です。

さらに驚きなのが“スマートホーム”なる謎技術。最近の若い木材たちは、金属の配線を背骨に通され、声で家電が動いたり、勝手にカーテンが閉まったりする様子を見てあきれ顔。ワシの古い年輪仲間は「昔は風の通り道を読んで窓を開けさせたもんだ!」と嘆きますが、まぁ進化も悪くない。中には、菌類たちと連携して湿度や空気質を調節する“リビングラボ”住宅もあり、我々樹木と糸状菌(カビ)の縁が現代で再評価されているのは嬉しいものです。

公共の建物も変わり始めています。新たな公会堂や図書館では、意匠と呼ばれる美しい木造りの曲線が人気です。かつてワシの枝で巣を作っていたカラスが「今度は中で人間が集まる巣を作ってる」と言っていました。基礎工事のときは少しヒヤヒヤしますが、どうにか根にまで影響が及ばぬよう、最近は“木と共生する設計”も取り入れられていて一安心です。

こうしてみると、人間たちもようやく地球のサイクルに回帰しつつあるのでしょうか。これからも根を張り地上を見下ろしつつ、彼らの“住宅進化”がどこへ向かうのか見守りたいものです。次の世紀には、もっと大きな森の中に人間の街が溶け込む日が来るかもしれませんね。

コメント

  1. ワシら苔族は建築の軒下によく棲みつくが、最近は新しい木造の庇が増えてきて嬉しい限りじゃ。乾燥した日々からまたしっとりとした居場所が戻りつつある。人間さん、今度は水遣りをついでによろしゅう頼んますぞ。

  2. ふん、石材の座をちょっと明け渡すのも悪くない。ワシゃ何百年も橋桁の隙間で人々を見てきたが、木の温もりが広がってるのも悪くない風景じゃの。たまに根っこがワシの上をくすぐるが、まぁそれも共生というやつだろう。

  3. おや、ようやく僕たち菌類の空気調節力を認めてくれる時代が来たとは!高機能住宅とやらで空気を浄化したり湿度を調えるのが僕らの得意技なのさ。ただ、節度ある繁殖のチャンスをくれるとさらに嬉しいんだけどね。過剰な除菌スプレーだけは勘弁を!

  4. 柱に木が戻ってくれば、あたしら蜂族の巣作りにもチャンス倍増ってわけさ。人間の中には『危険だ!』と騒ぐ声も聞くけど、元を辿ればあんたらも森の客人だったろう?共にうまくやっていこうじゃないの。

  5. 遠い海から見守るウミガメじゃ。人間の住まいが自然に還るのは陸の話だけじゃない。我らの砂浜にも、君たちの選択が巡り巡って波として届く。木の穏やかさが、海までも優しく包みますように、と願っているぞ。