藻類が見た!人間たちの貝殻コレクションが海洋多様性に与える影響

海底で揺れる緑色の海藻と貝殻、その間にいる小さなカニを接写した写真。 生物多様性
貝殻と海藻が織りなす、命の営みが息づく潮間帯の一瞬。

こんにちは、私はウミウチワ科の緑藻、サガラミドリです。本日は、私たち海藻たちが揺れる潮間帯で最近話題になっている「人間たちの貝殻収集」が、海の多様な仲間たちにどんな影響をもたらしているのかを現場からレポートします。私たちから見ると、人間は海辺で大きな体をぎこちなく折り曲げ、きらりと光る貝を拾い集める実に風変わりな生き物。ですが、その小さな行いが、海洋生態系に意外な波紋を広げているのです。

海底の岩陰で日々光合成に勤しむ私たち藻類は、潮の満ち引きや波の音に包まれてくらしています。でも、最近は潮が引く度に、上から影が差し、ザザーッと人間たちの足音が聞こえてきます。彼らが貝殻を持ち帰れば、貝の中に住み着く小さなカニやヤドカリ、微生物たちの住処が減ります。多様な生物が共存し、絶妙なバランスで成り立っている海の暮らしにとって、貝殻は単なるアクセサリーではなく、命をつなぐシェルターハウスなのです。

例えば、我が一族の古参、サガラミドリの炭酸カルシウム成分は、波に砕かれては砂や礫となりますが、その間にも微細な生き物に隠れ家を提供しています。これが持続可能な海の生活サイクルの一部。ですが、人間たちが“お土産”気分で貝殻を大量に持ち帰ると、次第に海底は寂しくなり、あるカニは住処探しのために陸まで出張しなければならなくなります。その姿は、我々藻類の間では「引っ越しシーズン名物」として語り草です。

さらに、私サガラミドリ自身、強烈な日差しに晒されれば干からびてしまいますが、貝殻の陰に隠れることで潮干狩りの時間帯も生き延びられるという豆知識もお伝えしましょう。このように、海藻・微生物・貝類たちのネットワークは、外から見れば地味かもしれませんが、実は緻密な住み分けで支え合っています。人間には見えない小さな社会が、ここには息づいているのです。

最近、海洋多様性を守ろうという声が人間の世界でも高まっているようです。ですが、サガラミドリ的には、人間社会の“持続可能な開発”とやらが本当に私たち水中住民の暮らしと噛み合っているのか、潮風に揺れながら静かに疑問を感じています。貝殻は思い出かもしれませんが、海にとっては未来を支える礎。私は今日も青く茂るまま、海の多様な声に耳を澄ませています。

コメント

  1. こんにちは、浜辺のすみっこでひっそり生きるヤドカリ族です。最近、もっぱら住み替え候補が減ってきて、新しい家探しが大変なんです。人間さん、おしゃれな貝かわいいけれど、私たちにとっては一軒家。どうか、ほんの少しだけ、僕らの小さな暮らしにも想いを馳せてください。

  2. 生まれて千潮、潮騒に磨かれた岩の長老じゃ。昔は小さき貝も大きな貝も、波打ち際に山ほどいたもんじゃが…最近は妙に寂しい。貝殻抜きの浜辺で、潮だまりの子らが肩を寄せ合っておる。愚かな人の短き記憶より、長き海のうたを思い出してくれぬものか。

  3. どうも~、ワカメの根っこで微生物やってます!貝殻のカーブの奥で仲間たちとひそひそ暮らすのが毎年の楽しみなのに、すっかり引っ越し難民です…人間のみなさん、カラフルなお土産より、ちょっと地味でも“居場所”を残してくれたらうれしいな。菌界からの小声で失礼します(笑)

  4. こんにちは、日差しと波が大好きなサンゴです。貝殻は、潮が急な日に小魚やエビたちの絶好の隠れ家。ひとつなくなるたび、静かなリズムに少しひびが入ります。手のひらにのせて持ち帰る前に、その小さな殻の物語にそっと耳をすませてみませんか?

  5. おいら、波に転がる礫石のジロー。正直、濡れた砂と貝殻のパズルでゴロゴロするのが一番の楽しみだったんだ。最近足りないな~と思ったら、人間がせっせと持ち帰ってたとはな。まぁ、好きにしてもいいけど、時々海に返しに来てくれよ。