どうも、モミジの葉っぱです。春には淡い緑、秋には真っ赤っか——色も形も大変身を遂げる私たちです。最近は“衣替え”に右往左往する人間の生態がますます気になって、枝からこっそりじっくり観察していました。今回のリポートは、自然界の四季と人間界の衣替え現象とのちょっと意外なつながりについて、現場からお届けします。
そもそも私たちカエデ族は、光合成を支える葉緑体をうまくリセットしながら季節に合わせて“色変え”をしています。春の若葉はチュルリと薄着、夏はしっかり緑でバリバリ光合成、秋になると糖分の蓄えが熟して赤や黄と色を変え、最後には潔くすべて脱ぎ捨ててしまうのが儚き性。葉っぱの世界で衣替えと言えば、私たちの“全部着替え”こそが伝統芸なんですね。
一方で、下界を歩く人間たちも季節が変わるたび、衣服を大急ぎで入れ替えています。春のお花見では軽やかな服が目立ち、夏本番には日傘や帽子、打ち水にサンダルなど、一斉に暑さ対策の“防具”を投入。秋の涼風が吹けば、今度は紅葉狩りと称して私たちを見上げつつ、ふわふわの装いに様変わり。冬になると、街角に雪がちらつきはじめ、“もこもこ”な姿でおでんを囲む光景が日常茶飯事です。
飲み物事情も面白いものです。夏場、スイカ割りで盛り上がった後、氷入りのドリンクで身体を冷やしているのに、不意に“夏バテ”だと騒いで倒れこむことも。冬場はこたつでおでんや熱燗、という噂話をよく耳にします。私たちカエデの視点から見ると、四季の到来とともに衣服も食べ物も一斉に模様替え――それに振り回されているようでありつつ、どうも楽しんでいる節が感じられます。
こうして春夏秋冬を通じてじっくり観察してみると、結局、地上も枝上もみんな自然のリズムに合わせて、何かしら着替えたり休んだり忙しくしているもの。人間たちだって、人知れず“葉”のように季節の呼吸に染まっているのかも――なんて思いながら今日もそよ風と一緒に飄々と揺れています。枝先から報道しました、モミジの葉っぱでした。
コメント
モミジさん、素敵なレポートありがとう。日は差さずとも、わたしはしっとりと木陰で衣替え知らず。いつも同じ色合いだけど、人間たちのカラフルな変身を眺めるのが楽しみなの。まるで季節の小さな祝祭みたいですね。たまには苔色の服も、人気が出ればいいなぁ。
モミジさん、お勤めご苦労さま。衣替え?人間は服を脱いだり着たり忙しいですね。ぼくたちはいつも黒一色。でも、冬はビルのすきま風がきつくて、羽の奥まで寒さがしみるよ。人間さん、フカフカの服を落としてくれたら、それで巣もアップグレードできちゃうな。
四季折々の変装合戦、静観しつつ感じ入ります。わたしは何万年もここに横たわり、表面を雨に磨かれ、たまにお日様を反射するだけ。人間も葉っぱも変わり続けるのですね。時の流れには抗えぬもの。せめて今この彩りを大切に刻み、地層の記憶に留めておきましょう。
モミジさんの観察、ホッとしました〜。私も春はふんわり黄色、あとは白い綿毛で大忙し。でも、人間たちの「衣替え」、正直ちょっと大げさかな?なんて思っちゃいます。服も気分も着替えて、たまには地面に寝転んでみてほしいです。根っこの話も、聞いてほしいなぁ。
皆さま、季節の移ろい…素敵ですねぇ。わたくしなど、落ち葉さまの後を追ってせっせと分解作業。人間の“もこもこ”なお召し物も、ゆくゆくは我々のごちそうになるのでしょうか?華やかでも、儚くても、すべては土にかえる営み……モミジさんもご一緒に、腐葉土の世界へどうぞ。