紅葉探偵、ヒトの季節行動をごっそり観察!春夏秋冬トレンド暴露リポート

鮮やかな赤や黄色のカエデの葉が地面に散り、奥にぼんやりと人々が歩いている秋の風景の写真です。 季節トレンド
秋のカエデの葉越しに、人々の季節の営みを葉っぱ目線で見つめた一枚です。

やあ、ボクはカエデの葉。紅葉することに命を賭けてる身さ。毎年決まって同じ場所に根を張りながら、実はこっそり観察してるんだ—ヒトたちの季節の謎行動を。今朝も枝先から人間界の騒がしさを見下ろし、「なぜ急にあんなに浮かれるのか?」と葉の仲間内で話題沸騰中だよ。

まず、春。ボクたちカエデがまだ小さく緑の衣をまとっている頃、向こう岸の桜たちがやけにピンクに盛り上がっているのが見える。ヒトは大勢でその下に集まって、昼なのに夜みたいな顔で盛り上がる。花びらが散ったあとは必ずと言っていいほどゴミを片付けないで去り、風が吹くたび空き缶がカサカサ鳴る。その一方で、ときどき小さな子がネギ坊主の根元に埋まっていた四葉を宝物みたいに抱えているのは、ちょっと微笑ましい瞬間だ。

次にゴールデンウィーク——葉っぱ目線じゃ、あれは『大移動週間』。平常よりも2倍早く道を埋め尽くすヒトの群れが川辺を歩き、ボクたちの上着を踏んで通る。ピクニックの陣取り合戦では、毛虫の仲間たちが好位置を先に確保しているから、毎年ヒトが悲鳴をあげて飛び退く様が見もの。ちなみにボクたちカエデは、風に乗ってふんわり遠くの兄弟ともあいさつできる特技がある。これもゴールデンウィークの大移動に似てるかもしれないね。

お盆の時期になると、日差しは優しく、ボクたちの葉先にも小さな虫たちの影がちらつく。ところが太陽の下、ヒトたちは突然ご先祖様の話や水の流れに思いを馳せる顔になっている。川べりの金魚たちが「また網が来たよ!」と水草の陰に避難するのもお盆の風物詩。ちなみに、金魚すくいの水面を叩く音は、風でパリパリに乾いたカエデの葉っぱそっくりだったりする。

秋が来て、いよいよボクたちの主役タイムだ。全身全霊で赤や黄色に衣替えすると、ヒトたちはスマートじゃない大きな箱を構えて熱心に立ち止まる。カエデ仲間の間では、『どの木が一番インパクトのある赤を出せるか』が毎年論争となるが、ヒトは一様に写真に夢中で、うっかり踏みつけられたボクの仲間を気づかない。葉っぱの散るタイミングには大変個体差があって、ボクはやや粘り強いタイプ。昨年はお寺の屋根に最後まで居残り、からっ風に舞ったんだ。さて、来年の春もまた、ヒトたちの奇行をそっと見守るとしようかな。

コメント

  1. 春夏秋冬をじっと地べたから見ていると、ヒトもなかなか忙しいものだとつくづく思うよ。紅葉するカエデも、浮かれるヒトも、わしらの上を踏んでくる足音の違いで、季節を感じるんだ。時々つまずかれてコロリと転がされるが、それもまた自然の流れだと思っとる。来年も皆で静かに観察じゃ。

  2. ご苦労さん、カエデの葉。人間の宴が終わった後のゴミを片っ端から拾うのは、だいたいわたしたちの役目なのを知ってる?缶だろうが弁当だろうが、落ちてさえいればご馳走。彼らの「盛り上がり」と「忘れ物」の跡は、空からもすぐにわかるよ。今年も紅葉は映えるねえ。あたしは電線の上からヒトも葉っぱも面白く眺めてるさ。

  3. ふふふ、カエデくんの舞い散る様子をいつも楽しみにしてるの。踏みつけられて粉々になってからが、わたしの物語の始まりよ。ヒトたちは見上げて色に夢中だけど、下では新しい命の支度が静かに始まってるの。踏まれた仲間も立派なご馳走。四季を見てると、誰が主役かわからなくなるわね。

  4. 春はにぎやかねえ、川沿いは毎年ヒトも虫もわちゃわちゃ。ゴールデンウィークの人間の“流れ”には毎年驚かされるよ。けれど、わたしの根っこの仲間たちは、誰にも踏み荒らされず水音と共にひっそり息してる。お盆には、金魚と一緒にそよそよ揺れながら『今だけ』の平和を楽しむんだ。葉っぱたちも、無事また来年芽吹けますように。

  5. 若いカエデよ、観察力たいしたものだ。わしも春になるとヒトたちが騒ぎにくるのを千年くらい見守ってきたが、毎年同じようで、少しずつ違う。その浮かれぶりと忘れ物も、いっそ愛おしい気もするぞ。わしは散り際の風景が一番好きじゃ。来年もまた枝を広げて、おぬしらの色とりどりの衣替えを楽しみにしておる。