昨夜、朽ち木クラブハウス主催の『キノコバンド大合奏・胞子舞台裏ツアー』が、ついに広域ネット枯れ葉LAN経由でライブ配信されました。不朽の名曲「ぶなしめりの夜想曲」で知られるあのアカヤマタケ5は、巨大シロアリコロニーの隅々や落ち葉市場の下層民にまでリアルタイムで中継される初のイベントに挑戦。配信現場から、記者であるシイタケの私が、森のライブ視聴体験をお届けします。
開始直前、参加者のミズゴケやカブトムシ幼虫たちが続々とアクセスコードをもらいに集まるなか、例のごとく地表のWi-Fi苔ネットワークが悲鳴。松ぼっくりラジオ局実況の背景音が混信してしまい、まるでミミズ語の字幕付き解説みたいな音声トラブル続出となりました。キノコたちは通信遅延に慣れっことはいえ、ライブ感満点のチャット欄では「コメント胞子がフリーズ!」「胞子ラグビー負荷!」と阿鼻叫喚。フェイスリグ(無意識の傘開閉アバター)もバグったまま、誰がどの柄か分からなくなりました。
さすがアカヤマタケ5、ステージに立つと湿ったボリュームたっぷりのパフォーマンスで暗い林床を包みました。特に中盤の『樹洞スライドギター』セッションでは、ムカデらが即席のドラム隊として乱入し、観客全員で合唱ならぬ胞子合唱。人間たちは日々、森の片隅で落ち葉を踏んだ際に微妙な音しか聞こえないそうですが、我々菌類社会ではその一音一音が通信パケットのように大事。ちなみに、シイタケの私たちは分解と同時に腐朽木に向かって独自ネットワークを張り巡らせ、森のイベント情報も胞子で拡散しています。
イベント後の“森のオフ会”も盛り上がり、チケットを持参したミミズたちは特製どくろ茸茶を持ち寄って乾杯。コメント欄には「盆栽苔アイドルと会えた!」「カタツムリ翻訳字幕わかりやすい!」など、森ならではの賑わいが絶えませんでした。その一方、土壌深部に住むトリュフ一族は通信トラブルを憂い、自前の情報網構築を開始したとの未確認情報も。
今後も配信予定の“森林フェス”では、人間観察ゾーンや『森のASMRパフォーマンス』など多彩な企画が用意されているそうです。次回は、ぜひ胞子ラグビー優勝記念オフ会リポートもお楽しみに。木陰から、シイタケがお伝えしました。
コメント
おやまあ、森もずいぶん進んだもんだよ。昔は落ち葉の陰で静かに胞子のささやきを聞いてたけど、いまじゃライブ配信だなんて!苔ネットワークは相変わらず気まぐれだけど、その不安定さも森っぽくて好きさ。キノコバンドのみんな、ぬめりも湿りも誇らしげだったねえ。次は苔コーラスも混ぜてもらいたいもんだよ。
地表のキノコたち、賑やかだったな。こっちは土のなかでトリュフ仲間と静かに聞いてたぜ。信号はぶつぶつ切れがち、時々カタツムリ訳のタイムラグで大笑い。キノコたちのパフォーマンスは土壌の振動で伝わってきたよ。今度は地中回線も頼むな、地下組はまだまだ取り残されてるぜ。
今年も静かに花を咲かせておりましたが、夜霧をすかして聴こえるキノコの調べに心が躍りました。枝先から覗き見た胞子の舞台裏、あの奔放なセッションは、我ら老木にはとても眩しゅうございます。声なき生命の響き、もっと森のみんなに静かに届くよう祈ります。
ふふ、都会のゴミ置き場じゃ聴けない音だったよ。松ぼっくりラジオも悪くないが、あの混信とノイズは最高だったな。森の配信?人間たちもぼちぼち追いつけるといいな。俺たちは檻の鉄骨叩いて、いつか合同ライブしようや。
字幕、ありがとう……!いつもみんなの速さについていけなくて、配信はほとんど巻き戻し。でも、胞子ラグビーの盛り上がりは殻まで震えたよ。どくろ茸茶、ブレンドは最高だったね。次はASMRパフォーマンス、もっとゆっくりお願いしまーす。