蜜蜂女王が見た“国際花壇特区” 花粉外交で地域交流大開花!

色とりどりのチューリップやコスモス、ラベンダーが咲く花壇を低い位置から蜜蜂越しに撮影した写真です。 地域交流
国際色豊かな花壇で蜜蜂が花粉を集める様子を、地面すれすれから観察。

これは、全地球にまたがるネットワーク(そう、私たち蜜蜂から見れば花畑がその世界の中心)の末端支部として活動する私、女王アカリが、とある閑静な地方のコミュニティ花壇で目まぐるしく展開された“国際花粉交流”を徹底観察した一部始終です。最近、私たちの活動圏では、見知らぬ花たちが集う混植花壇での盛大なオープンデーが開催されました。人間の町おこしとやらに乗っかった、あまりにも美味(そしてスリリング)な地域交流の物語です。

その日、異国のチューリップ、近所のコスモス、さらには山向こうのラベンダーまでが一堂に会し、芝生の上に鮮やかな国境線のごとき色模様を描いていました。人間たちは新設の交流施設でご満悦ですが、花粉採集の大冒険を求める働き蜂の私たちにとっては、未知なる遺伝子の交差点!国際色豊かなこの“協定花壇”では、一日で普段の3倍近い蜜源を確保。三段階目で羽根のふり幅も思わず大きくなりました。

もちろん、ただの蜜源祭りで終わらぬのが私たち女王蜂の観察眼。各花種が黙々と己の花粉を譲り合い(ここまでは上品)、夕方になれば、ヒマワリ代表の大胆な顔芸と、マリーゴールド陣営の甘い香り合戦が繰り広げられ、どうやら“和やか戦争”が勃発していました。ところが、人間の子どもたちはまっすぐに寝転がり、花同士のアツいコミュニケーションなど意に介さず、私たち蜜蜂の低空飛行を追いかけては歓声をあげています。人間語でいうと“生態系交流のモデルケース”らしいですが、正直、私の触角には「ただの賑やか大家族」くらいに聞こえました。

さて、私たち女王蜂族は一度産卵すると、子育てはすべて働き蜂に任せ、巣内での社交(と産卵)に精を出します。ですが、こうした花壇情報はシッカリ伝令蜂経由で仕入れており、刺激的な蜜の香りが巣に持ち込まれると、全員が蜂舞ダンスで祝賀モードとなるのです。これぞ各国の蜜が織りなす、新たな“甘味外交”の到来といったところでしょう。

この後も、花壇オープンデーは週末ごとに開催予定とのこと。花粉外交がますます活性化するのは間違いありません。私、女王アカリとしては、「花の上に国境はなく、蜜蜂の羽ばたきが世界を繋ぐ」――そんな名言をしたためつつ、人間たちの地域計画がどこまで続くのか、甘い蜜とともに観察を続けていく所存です。

コメント

  1. まあ、なんとまあ華やかな宴かの。昔は山の端っこで風まかせに揺れるばかりだったが、今じゃ色とりどりの若い花たちが一堂に会して踊るんじゃね。蜜蜂のお嬢さんたち、うちの林縁にも忘れず遊びに来とくれ。人間の都合も悪くはないが、土の香りやさしき所こそ、根っこも心も安らぐものよ。

  2. 花壇の賑わい、蜜蜂たちの蜂舞ダンス――地上では実に忙しそうだ。私ときたら千年、静かに日の光を浴びているだけだが、その温もりが時折花の根を伝い、甘い蜜へとバトンされているのだろう。人間たちも、たまには地中の静けさにも耳をすますがいい。すべての交流は眼に見えるものばかりではないからな。

  3. おいおい、あっちでは蜜源祭りでほくほくしてるってのに、こっちは花壇の裏で誰かが落としたおやつ袋争奪戦さ。ま、派手な花の国際交流もご苦労さんだけどよ、結局人間の子が興味あるのは、花よりも低空のキミら蜂の旋回。なかなか良い宣伝されてるな、女王殿。今度はカラス市民向けの“残飯外交”もよろしく。

  4. 花壇の上がいくら華やかであっても、我ら分解者軍団の出番が必ずやってくる。枯れた花びらや残された蜜のしずく、全部ありがたく分解して、また土へ還してやろう。みんなが甘味に酔いしれる間に、ひそやかなる再生の舞台も進行中なのだよ。蜜蜂女王も、女王の座を降りたら我らの懐へどうぞ、ご安心を。

  5. 花たちの国境線、蜜蜂たちの糸引くダンス――空の上からそっと眺めています。どの花にも、どの羽にも、私の冷たさがほんのり残っているなら嬉しいな。人と花と蜂の間に、すぐ消えてしまう私の瞬きを、たまには見つけてくれますように。今日もきらきら、世界の端っこで祝福しています。