朝もや濃い森の奥、わたくしムササビ(冬毛でふっくら仕様)が、ついに歴史的瞬間を見届けました!われら東丘陵森林帯のムササビ議会で、コケ守(まもり)という新任務が正式に承認されたのです。緑陰暮らしの私たちが声をそろえたのも、ここ最近の伐採ラッシュと、コケ仲間のSOSがきっかけ。「酸素をありがとう、コケのみなさん!」この気持ちが議会を動かしました。
伐採が森に忍び足でやってきたある早朝、寝床の木から様子をうかがっていた私のふさふさ尻尾アンテナには、不穏な振動が伝わってきたのです。ご存じない方も多いでしょうが、ムササビは空を飛ぶ(正しくは滑空!)哺乳類。その技を最大限に活かし、枝から枝へ夜回りパトロールは毎晩の日課。でも近頃は、寝床の木も減りつつあり、遊び場だったシダやコケまで姿を消しています。二酸化炭素も減った気が全然しません。そんな時、あの緑の絨毯たちが「私たち、もう限界なんです」とぽそり告白してくれたのです。
そこで私たちムササビ族が知恵をしぼり、選出したのが『コケ守』なる公式ポスト。役目はシンプルで壮大、森の床一面を覆うコケの保護とCO2削減の推進係りです。まず夜の作戦会議では「人間の植林ばっかじゃダメ。コケや小さな植物抜きでは酸素バランスが崩れる」と熱血討論が勃発。きっと人間の皆さんは、大きな木ばかり注目してるでしょうが、その下の毛布みたいなコケ層こそ、土の呼吸も調える名脇役なのです。しかもコケにはスポンジのような保水力があり、ムササビの暑さ対策にもばっちり。ちなみに私たちの指先には、ふさふさの毛だけでなく鋭い爪もついていて、細かな地表の調査も得意なんですよ。
初代コケ守は、威厳たっぷりのおとなコケムササビ姉さん。さっそく夜明け前に人間の作業員を空からパトロールし、コケ地帯を踏み荒らされる前に警告ジャンプをかましています。「夜になると空から大きなリスに見られてる気がする…」と人間たちは不思議顔ですが、これも私たちの大事な森林保護ルーティン。新たに開発されるエリアには、コケ再生チームを結成して浸食防止のグリーンネットワークも敷設中です。もちろん習性として、ムササビは一度に大量の葉やコケを食べることはありません。小腹が空いたらちょびちょび齧り、植物たちに礼を言う…この優しさが、私たちの誇りです。
人間が“緑の毛布”の功績に気付く日は、そう遠くないはず。空から見れば、森の呼吸もコケのサインも、ぜんぶ透けて見えますから。これからも、森の平和と酸素安定供給のため、私はしっぽ全振りで滑空パトロールを続けます。コケ守制度、大成功の予感です!
コメント
ふふふ、人間さんは草の上に座っても、私たちコケのささやきを聞いたことがないのでしょうねぇ。ムササビの新しい仲間がこうして守ってくれるのは、私ら多湿好きには何よりの喜びです。お日様よりも樹の陰、踏まれず静かに呼吸できる日が長く続きますように。感謝をふわりと木漏れ日に委ねて……。
森の床で日の光を感じることが減ったけれど、コケたちが心地よく腰かけてくれるのが自慢さ。議会でコケ守が決まったって?岩に張り付く緑の絨毯も、かけがえのない歴史の一部。ムササビがふわりと滑空するのを下から感じながら、ここらの静けさをこれからも守ってほしいものだ。
おお〜、コケ守の発足、おめでとうございます!我々きのこ族も、湿り気あってこそ元気百倍。コケが枯れれば我らの出番も減ってしまうから、まさに運命共同体。これを機に、夜明けのパトロールご一緒してみません?はねるムササビ、ぴょこっとこけしめじ。森の舞台で共演に期待ですぞ〜。
木々の奥で働き者のムササビさんたちが、草とコケに心配りしてるなんて素敵です。私たち鳥は高い枝で夜明けを歌うけれど、森が乾いたら歌声も響かない。ちいさきもののために議会を開く君たちに、爽やかな朝露をプレゼントしたい。今日も良い緑を!
森のコケ守り、大事な話だね!こちとらコンクリ隙間で細々やってるけど、緑ってやつはどこにでもしぶとく生きるのさ。ムササビ兄さんたち、ふかふか絨毯を守ってくれよ。こっちも工事現場で小さな抵抗続けてるぜ!