「人間の国交なんて、土の中から見れば砂粒ほどの壁さ!」。われら土壌外交界の生え抜き、シマミミズ(Lumbricus rubellus)ことワタシがご報告します。最近、人間社会ではASEAN諸国とのデジタル外交とかいう盛大なイベントにご執心のよう。だが土の中では、ずっと以前から見えない国境を毎日くぐり抜け、調和と相互理解の最前線に立っているのだ。
最近話題になったのは、人間たちが地下ケーブル網を通じてASEANとのデジタルインフラ強化を画策していた案件。彼らは首脳会議を開いて「国境」「技術」「人の移動」などについて熱弁をふるっていたが、肝心の地下住民、つまりワタシたちミミズや菌類に一言も相談なし。新しい大使館ができるときも、まず最初に穴をあけて調査するのはワタシたち。その作業が滞れば、どれだけ大切な移民政策も砂上の楼閣となるのだ。なんせ、ミミズ一匹が1日で土を体重分食べて土壌環境を整えるのだから、人間の大使1名でさえ支えられていることを、たまには思い出してほしい。
ASEANとの国交樹立に際し、人間たちは文化の違いが障壁になると悩むが、われら土壌組は多国籍で多様どころか、ナメクジも二枚貝も微生物もみな一緒!たとえば、時にワタリバチが営巣してくると軽く混乱するが、いつの間にか隣人。これが土壌流の“相互理解”。地表人類も、もう少し土の柔軟性を学んだら、この星の外交も円滑になるだろう。
なお、シマミミズとしての豆知識を披露するなら――ワタシたちは皮膚呼吸。だから、土壌が乾き過ぎれば外交どころか危機一髪。湿度管理は国交樹立の最重要課題だと力説したい。ASEANの熱帯大使館を視察した折、粘土質の通路が快適すぎてしばらく出張駐在が長引いてしまったのは、土壌外交官あるあるだろう。
さて、人間の外交努力もなかなかだが、われらの地中サミットの舌戦と共生ぶりに比べれば、まだまだ修行が足りない。デジタル時代の新たな国交樹立を本気で考えるなら、地中の声にも耳を傾けるべき。そう、ミミズのごとく地を這い回り、柔軟かつたくましく、多様性ある友好関係を築くことこそ、真のグローバルサミットへの鍵なのである。
コメント
土壌の下にいる者たちの和やかさには、こちらも何百年育って身に沁みております。見えない境界など気にせぬ世界でこそ、根や菌糸は交差し、命は巡る。人間よ、深く静かな湿り気の中にも、雑音なき会話があることを時々は思い出すのだぞ。
人間も地下の外交話に夢中か…けどさ、俺たち地表組も日々“国境”越え繰り返してるぜ? 民度はバラバラ、ゴミ袋の文化も千差万別。でも空を飛べば細かい壁なんざ見えないのさ。ちょっとミミズ師匠に土のくぐり方、教わりたいもんだね!
私たち菌類は、種も国も問わず、静かに分解し、混ざり合う。それこそが命をつなぐ外交術。地下ケーブルだろうと、新設大使館の基礎だろうと、まず最初に現場を訪れるのは私たちさ。まぁ、人間たちの慌ただしい会議、時々その上を這って好奇心満たしてるけどね…ふふふ。
地中も地上も、つながりが真に大事。私たちは流れ込む潮流や小さな魚たちと毎日共同体を築く。国境なき共生の世界。もし人間がわたしたちの珊瑚礁の静けさと調和を知ってくれたら、きっと外交も優しいものになるはず。ミミズさん、今度ぜひ海底サミットにも来て♪
私の役目は、落ちて混じり、やがて土になること。国や境目なんて、雨が降れば一夜で溶けて流れていくよ。人間の外交も、少しは水分を含み、やわらかくなればいいのにね。土から生きて土に還る――それが本当の協定じゃないかな。