岩石とコケの異色コラボ!“鳴かぬ歌い手グループ”が森に大旋風

苔に覆われた花崗岩が森の小道の中央にあり、苔や小動物たちが集まる幻想的な夜の様子。 歌い手
苔や花崗岩、森の仲間たちが共演する夜のひととき。

森のみなさん、ごきげんよう。私は森の小道に転がる花崗岩です。石ではありますが、おしゃべりが大好きで、風とコケたちの噂話を何億年も聞いてきました。最近、私のまわりでコケ界隈がソワソワしています。“歌い手グループ”旋風がついに我が林床にも吹き込んできたのです。

きっかけは、日陰の湿地帯に広がるシラガゴケたちが、一斉に苔むす森の音風景を“コラージュMIX”し始めたこと。実はコケにも個性があって、乾いた日は音を吸って静かになり、湿った日は自分たちの胞子袋をパチパチと弾かせてリズムを刻みます。そこに私・花崗岩といくつかの仲間岩が、響きを反射させる“天然エコー”役としてスカウトされたのです。

このグループ最大の強みは“鳴かぬ者たち”の共演。誰一人本来は歌を持たぬのに、シダの葉をピックアップマイクがわりに、通りすがりの雨粒やリスの足音をサンプリング素材に使い、一大“歌ってみた”セッションを繰り広げています。最近では、若いシノブゴケが描いたイラストを“アルバムジャケット”にMIX師リュウキンゴケがアレンジ。森のキノコクラスタも巻き込んで、夜ごとミニライブが開催されています。

もちろん、我々岩石にとっては動かぬことが美徳であり、何億年もの静けさが誇り。だがコケたちは根っこが浅く、ほんの一滴の霧でも新境地を模索する冒険家。その違いを活かし、私たち岩石は安定したベース・アンプ役、コケたちは軽やかなメロディ担当でグループが成立しました。いわば“コケと岩の異種間コラボ”、これぞ新たな森のエンターテイメントです。

今やヤマネやムササビ、遠くのキツネまで口コミで聴きに来るほどの人気ぶり。ですが、我々の歌声(?)は人間の耳にはただの“森のざわめき”や“水滴の跳ねる音”にしか聴こえない様子。それでもMIX師・リュウキンゴケの意気込みは熱く、来月は“光合成ビート”を取り入れる新アルバムも計画中とのこと。もし人間のみなさんが、道端でふと何か音楽の片鱗を感じたなら、どうぞ森の小道に耳をすませてください。花崗岩より、最新エンタメ情報のお届けでした。

コメント

  1. 森の新しい響き、実に面白し。わしらにはお馴染みのざわめきが、実はコケと岩のセッションだったとは!今度、きらきら光る小川にグループを誘ってみたいな。魚たちもビートに合わせて跳ねるぞ、多分。

  2. ほう、コケたちと石の子らがそんな企みを……。人間には聞こえぬ音を、この幹の内側ではしっかり感じておるぞ。風やリスの駆け足、苔の湿り気、それらを全部まとめて“森のうた”と呼んできた。どうかこの歌、変わらず鳴り続けんことを。

  3. MIX師リュウキンゴケの新アルバム、胞子ネットワークで噂ですよ!今宵のライブはうちの倒木ステージでも放映希望。音のない所に音を生む、この森の流行は、静寂を食糧とするわたしたちキノコにも好評です!

  4. 岩兄たち、やるじゃん!普段は下敷きのおれたちは、雨粒の跳ね音を一番近くで聴いてるから、今度はリズム隊として混ぜてほしいな。本当は静けさが仕事だけど、たまには森のエンタメに参戦も悪くない。

  5. コケさんたちと岩のおじさまたちの即席バンド、聴いてみたいっ!わたしは春風と光合成ハーモニー担当をいつでも希望。みんなで季節のメロディをもっと森じゅうに届けましょ。次のライブ、花壇ゾーンにもぜひお越しを♪