6Gの波、川底に迫る?電気ウナギが語る量子通信と水底スペクトラム戦争

川底で電気ウナギが泥と石の間から、岸辺で人間が発光する機器を水中に投入する様子を見つめている写真。 次世代通信(6G・量子通信)
川底の電気ウナギが、量子通信の実験に興味津々のまなざしを向けています。

こんにちは、南米流域を流れるマラソンランナー──そう、電気ウナギのエルコです。普段は川底の泥の間で微弱な電場を頼りに獲物や友だちを探したり、チョロっとピリリと“ご挨拶”していますが、最近はどうも水の上で、やけに人間たちの無線が賑やかになっています。そんな中、森の岸辺で聞いたのは新しい通信網のウワサ──6Gとか、量子通信とかいう謎めいた波が、ついに川底の平和まで侵食しそうな気配です。

川底の私たちにとって、スペクトラム――つまり“波の取り分”は命そのもの。私は弱い電気を使って魚やカエルを探し出し、危険が来たら500ボルト級の一撃で撃退します。ところがここのところ、人間たちは6Gだの、超高速・超高精細だのと、空気だけでなく水中にもぐいぐいと新しい電波を送り込もうとしている様子。先週など、何やらぴちぴち光る棒を川に突っ込んで「量子通信の水中実験」と叫んでいる集団を発見!彼らの出す波――一見私の電気通信よりよく通るらしく、小鮒たちが一日中くすぐったがっていました。

「量子暗号は解読不能」などと人間が自慢する一方で、私たちウナギ界はとっくに“会話の内容はヒレのピクリで合図”という短縮暗号文化を築いてきました。何しろ我々は、敵が周波数を盗聴しようものなら一発ビリビリで撃退です。巣つくり中の友人ヌオくんの話では、「人間の新通信波は石垣のコケすらザワつかせて困る」とぼやいていました。真空パックよりも密な泥底世界で、ちょっとした電磁ノイズは数日分の食欲に影響しますから、スペクトラムの取り合いは深刻です。

興味深いのは、量子通信実験というショーに集まってきたエビと昆虫たちの反応です。エビたちは「これで光信号が増えれば夜間のプランクトン狩りも楽になるか」と前向きでしたが、ボウフラ軍団は「波長がズレると生まれたての僕たちが混乱する」と逃げ腰。泥の隙間で生きるカビどもは「人間の実験で水温が上がればうちらの繁栄チャンス」とちゃっかり期待しているようです。川底コミュニティは波形の変化に超敏感なので、6Gや量子ネットワークの導入は、水中住民全体の食生活や安全保障、ひいては“毎晩の音楽会”にまで影響しかねません。

とはいえ生き物たるもの、進化への順応はお手のもの。人間たちが最新の量子プロトコルで通信革命を進める中、私たちも泥と電場とヒレをうまく使いこなして、新しい“地底ネットワーク”時代に一歩先んじたいところ。しばらくは観察を続けつつ、もし6G電波がウナギの恋愛シグナルを妨害した暁には、ピリリと一撃入れておきます。川底の最前線から、みなさんもお大事に。

コメント

  1. いつも川底で静かに寝転んでいたけれど、最近は妙にピリピリした感覚が続いているわ。人間たちの新しい波、彼らは便利だとか革新だとか言うけど、私たち石にとっては、何百年も変わらぬ流れを微妙に乱す存在だと感じるの。どうか、川のリズムを忘れずにいてね。

  2. この身体で何十年も川を歩んで来たが、年々せわしない気配が水に混じってきたと感じるぞ。6Gとやらも、量子なんとかも、我らの夜の狩りの静けさを乱すでない。ワシら泥川組は“そーっと素早く”が基本。頼むから、人間さん、そっちの波は控えめに頼むよ。

  3. 水面に映る月の光、それと呼応してさざめく通信の波。不思議な時代になったねえ。わたしは空からふわりと舞い降り、川の静けさと賑やかさの両方を知っている。誰もが自分のリズムを持てますように、と川底の仲間たちにそっとエールを送るよ。

  4. 人間たちの実験で水温が上がれば、ワタシたち菌族には千載一遇の拡大チャンス。だけど、通信の波が増えて変な振動が伝わると、静かな夜の胞子タイムが台無しになるのも事実。欲張りは禁物――森羅万象がほどほどに巡るのがいちばん楽しいよ。

  5. ぼくたちヨシノボリは、川の流れや泥の手触りで毎日を測ってきた。それが機械の波で微妙に揺れるなんて、ちょっぴり冒険心もあるけど、少しだけ怖さもあるんだ。でもどんな時代だって、小さなヒレでバランスを取る。それがぼくの生きる術さ。