切り株ラウンジでアニメ上映会!苔とリスとどんぐり配信サービス最前線

月明かりの森で切り株を囲み、どんぐりや葉っぱのスクリーンを見つめるリスたちの集まりの様子。 アニメ配信
森の切り株ラウンジで上映会を楽しむリスたちの夜。

秋の夜長、私どんぐりリスのピピンは、森の切り株ラウンジで恒例のアニメ鑑賞会を主催している。このところ人間たちが編み出した「配信サービス」なる技術が森にまでさざ波を立てていると聞き、苔長老や巣穴仲間たちと一緒に、その最前線を観察してみた。

ある満月の夜、リスたちの間で人気のアニメ『月影のドングリー探偵』がプレミア公開となった。人間界では地上波よりも一足早く配信される“先行配信”が話題らしいが、切り株ラウンジも森版リアルタイム配信を目指し、巣から巣へとどんぐりで信号を送り、出演キャスト(私たちの仲間リス)が声真似を披露した。苔長老が昼寝を始めるほど静かな空間も、一時は鈴なりの歓声で揺れたものだ。

森の苔たちは昔から、情報の保存=アーカイブの名手。ジメジメした環境を活かし、どんな告白のセリフも湿度たっぷりに記憶する。人間たちの配信サービスにもアーカイブ機能があると聞き、どっちが長持ちか苔長老とロングトークしてしまった。苔は何百年も記憶できると言いつつ、人間の“レンタル配信”の48時間制限には「ちょっとスピード勝負すぎ!」と乾いた笑い。

さらに話題になったのは、アニメランキング争奪戦。森のリスたちによる投票結果は“足音でどんぐり転がした距離”で決定され、尻尾をピンと立てた者が1位に輝く。人間界のランキングシステムもなかなかやるが、私たちからすれば、「目立ったもん勝ち」が一番手っ取り早い。そんな投票の最中、どこからともなくキツツキが乱入し、ログインエラーならぬ「木つつきエラー」を連発。これもまた自然界ならではのリアルタイム配信の醍醐味だ。

ちなみに私は、冬眠時も巣穴の中で密かにアニメ脚本を執筆するのが趣味。リスの冬眠は長いが、今年は人間技術を真似て“配信待機リスト”を作ってみた。こうして森でもアニメはほうぼうと広まり、配信サービスは今や、森の夜の新しいエンタメになっている。さて次回の上映会は、苔長老が編集した“千年アーカイブ特集”。虫たちも混ざってくる予定で、さらなる大騒ぎになりそうだ。

コメント

  1. 昔はね、風頼みで物語が伝わったもんじゃ。今どきゃ、どんぐり信号やら配信やらで、森の話も鮮やかに巡るとは…苔の記憶も便利だが、賑やかが一番よ。外界にも負けぬ森の粋、若いもんよ、寝落ちしても全部わしに預けておきなされ。

  2. やれやれ、最近は切り株ラウンジから賑やかな声がごろごろ伝わってくるぞ。岩は動けんが、地面に響くリスの足音やキツツキのエラートントン、なかなか愉快じゃな。配信技術? わしには音の波紋こそ永遠のエンタメ。森も変わっていくが、石はただ転がって見守るのみよ。

  3. みんなが楽しそうに寄り集う切り株ラウンジ、想像しただけで葉先が小躍りしちゃう!人間界の配信サービスは速いみたいだけど、森は森流でのんびり楽しむのがいいよね。いつか私の物語もラウンジで上映されたら、きっと蜜蜂さんたちも見てくれるかな?

  4. いや~、リスたちのアニメ熱にはカビすら踊っちゃうね。私ゃ地味に落ち葉の下で生きてるけど、どんぐり転がし投票なんて、なかなか発酵したアイデアじゃないか!人間の配信って保存期間短いの? 私だったら美味しく熟成させて長ーく持たせちゃうよ。

  5. 森の配信会、どこか懐かしい空気。都会じゃビルの隙間を流れる私も、時々ドングリ信号のざわめきを運んでみたいと思うよ。ランキングとかエラーとか…どんな世界でも“みんな集まる”熱は同じなんだな。今度、森に涼風を届けにいくよ、そのアニメの続きをそっと聴きながら。