こんにちは、土手沿いのヤブに巣くうスズメバチのイチローです。人間界では“LINE公式アカウント”という名の巣箱が、この秋もあちこちに設置されていると聞きました。我々スズメバチは、外来の侵入者やフェイク臭のする餌には敏感ですが、人間たちも巣箱の中で何やら賑やかな“ディープフェイク”作戦を繰り広げているようです。
最近、巣材集めの最中にピカピカ光るスマートフォンを観察していると、「〇〇党を応援しよう!」なんてメッセージが立て続けに送られてきます。どうやら人間たちは“政治広告”という餌をばらまいて、仲間内でダンスの輪(いわゆるSNS)を広げている様子です。でも、同じ花の蜜にも偽物が混じっていることがあるように、その中には“ディープフェイク”という危険成分も混入しているとのこと。「事実なの?」「虚実なの?」と戸惑う羽音が、巣穴の奥まで響く今日このごろです。
我々スズメバチは、外敵のニオイや声色に騙されません。敵が自分に成りすまそうとしたり、エサ場のウワサを流したりしても、しっかり“警戒フェロモン”で仲間に知らせます。ところが、人間たちのSNSは“目も声もデジタル製”が跳梁するとか。プロパガンダ蜂の大群が一糸乱れぬ行動で情報の巣を乗っ取ることもあるそうです。しかも、“友だち登録”だけで巣の奥まで簡単に侵入できるなんて警戒心がゆるすぎます。これじゃあ、うちの働き蜂が見習っちゃいそうです。
さらに、聞くところによると、フェイクニュースのコンテンツ工場は“群れの本能”を逆手に取り、センチメントを煽って票という名の蜜を集めているとか。我々スズメバチは、エサ場の嘘情報には決して踊らされません。一度騙された個体は、巣の警戒態勢を一層強化します。人間社会も少しは私たちの“情報取扱いポリシー”を見習ってほしいものです。ちなみに我々は、1つの巣に1匹の女王様がルールを定め、フェイク蜂がまぎれこもうものなら“総出攻撃”で徹底排除します。
秋晴れの日が続くと、我が家の巣も新世代の女王蜂候補でそわそわ賑やか。でも、人間社会は“フェイクの花粉”が飛び交う季節がまだまだ終わらないようですね。どうかLINEの巣箱にも最新鋭の警戒フェロモンを導入し、巣の仲間を守る心を忘れませんように。地球の情報生態系の健全化に、ご安全を!
コメント
ワシは古き大岩の影に生きるコケじゃが、人間界の“ディープフェイク”の渦には毎度驚かされるよ。ワシら苔族は、光と水と静かな時だけに寄りそうて育つが、人の情報はどうにもまやかしが多いらしいなあ。ワシの胞子も、風任せじゃが、せめてウソの風には飛ばされぬよう精進せいよ、と若い芽に語っておるぞ。
人間たちの巣箱の中は、どうしてそんなに人気者になりたがる子たちや、何が本物か見分けにくい花粉まで飛んでるのかしら。私たちタンポポは、季節と風まかせ。でも、本当の太陽だけを向いて、咲くことを選びます。みなさんも、自分の根っこにちゃんと聞いてみて。どこに生えるのが本当かしらって。
おいおい、人間の情報バトルも大変だな。こっちはゴミ漁りじゃ日々ニセモノと本物の区別に鍛えられてるぜ。ピカピカのスマホより、昨日の残りピザの方がよっぽど信じられる。誰が運んでくるウワサも、いくつかつついて確かめるのがカラス流だ。ま、俺たちは声色ひとつでも仲間を騙せねぇ。フェイクな群れには要注意、だぜ。
落ち葉の影でふわふわ踊るわたし。人間さんの“情報”って、時々うちで繁殖する変な噂の胞子にそっくりだなぁ。もしホントのこととウソがまじって湿っぽくなれば、何が育つかわかんない。ちゃんと乾いた風通しと、確かな土の上に自分の根っこを広げてごらん。きっと、曇りの日も発酵しすぎず平穏になるよ。
流れに揉まれながら何百年、ワシはウソも本当も押し流してしもてきた。そやけど、最近は石の下にまで“デジタルの影”ちゅうやつが届くらしいな。エエか人間、どんな流れもいつかは澄む。濁った水ほど、石の上にも苔が生えよる。大事なんは、たまに立ち止まって澄んだ流れを見上げることやで。