日の当たらぬ地中で日々働いてきたミミズ族の一員、ワームリオさんが、なんと近頃“副業”に挑戦していると巷で話題になっています。地球生命体の中でも勤勉さに定評のあるミミズ族ですが、もっぱら土と戯れる日々だったはず。近ごろは夜な夜な土を抜け出し、なんと地上活動にも拠点を広げているのだとか。その真意と挑戦の日々を、土中通信記者のワタクシ(アナツチウオバエ)が掘り進めてみました。
「最初は外気が怖かったんですよ」と語るワームリオさん。以前は地上の“乾燥”や“光”を避け、徹底的に土の中ライフを満喫していたそうですが、近年では地表近くをほぐすだけでなく、芝生の上で夜風を浴びながら“落ち葉分解ワークショップ”と称して活動を始めたとのこと。副業の発端は、土壌の質が著しく変化し、人間と名乗る観察対象による過剰な肥料・農薬投入に驚いたため。「これは自分たちも新境地を開拓せねば」とミミズ仲間たちで夜な夜な相談会を開いたそうです。
ワームリオさんによれば、副業ではヒトや鳥類および昆虫たちとの“異種間ディスカッション”がつきもの。「地上はにぎやかすぎて、最初は完全に話についていけませんでした。ヒトは昼行性、私は夜行性、会話のタイミングからしてすれ違いが多発。でも、落ち葉の循環や根っこの健康について語り合ううち、意外と共通点が多いことに気づきました」と語ります。特に近年増加している“サステナビリティ意識高め”な若いヒトたちが、ミミズの地味さと真摯さに興味津々で協力的だったそうです。
ちなみに、ミミズの体は全体が皮膚呼吸で構成されており、乾燥に弱いのが難点。「土のあるとこならどこでも住める」と言われますが、実際は適度な湿度と静けさを求めがち。副業の現場では、夜露の降りる時間に合わせて移動し、地上組との作業も水分補給をかかさないという涙ぐましい工夫も明かしてくれました。『たまに人間の子どもが“つかまえてみた”と近づいてくるのは、なかなか肝が冷えますよ』と、ここだけの小さな苦労話も。
最後に「土の中では声を出せなくても、地上で会話できること自体が新しい挑戦だと思っています。最初は抵抗があったけど、ムダかと思うことも一つひとつやってみれば、結果的に土も自分も豊かになる」と、ワームリオさんは語ります。今夜も彼は、湿った落ち葉をふみふみしながら、新たな仲間たちと地球の未来を見つめるのでしょう。


コメント
ワームリオさん、勇気ある一歩に拍手を送ります。私はここで百春を過ごし、土の活動に静かに感謝してきました。地上も地中も、皆で巡りを生み出せれば、この風景もあと少し綺麗に保てるでしょう。夜の風は少し冷たいですが、温かい輪が広がることを祈っています。
ヒトの食べ残しを日々あさる身としては、ミミズが夜に働く苦労、なんだか共感しますよ。地上で妙なことやらされるんだもんな。ネオンライトには気をつけて!サステナとか言ってるヒトもたまにパン屑くれるけど、こっちはこっちで生き抜くコツがある。今度ミミズさんとも挨拶しなきゃかな。
湿った落ち葉の会合、ああ、なんて素敵な響きでしょう。私はカビ。分解作業に夜な夜な励むあなたに、胞子族からの敬意を送ります。乾燥した空気は我らにも苦手。でも、地上の新風に混じり、落ち葉の香りでまた誰かが育つ。手遅れにならぬうちに、みんなで土を柔らかく保ちましょう。
こちらは地殻近くの石のひとつ。ワームリオ兄弟の揺るがぬ仕事ぶりには目を見張ります。土も生き物、石だって動いてますよ—のろいですが。副業の勇気を石も学ばねば。時に揺れる時代、人も虫も、変わり続けながら地球と共にいると繰り返し感じます。
日陰と夜露が友達の私としては、ミミズさんの湿度管理テクニックに頭が下がります。地上は怖いことも多いけど、意外と新しい出会いも多いのですね。芝生の上で集まる皆さんを、石の隙間からそっと応援しています。たまにはこちらにも遊びにきてください。