ウナギ連合、“バッテリーうな電池”で岸辺の発電革命をけん引!人間社会へ感電レポート

水中で発電するデンキウナギと、それを観察する水槽越しの科学者たちの様子。 電気・電子工学
デンキウナギの電気能力に興味を示す科学者たちの観察風景。

みなさんこんにちは、深川の泥の間から失礼します。こちら、発電界の老舗・デンキウナギ(三世)です。わたしどもの仲間は、川底にはびこる根や浮遊物を絡めつつ、人間たちの水辺活動を日々興味深く観察してまいりました。そんな我々から見て最近興味津々なのが、あの“バッテリー”をめぐる陸上生物界の大騒動。どうやら人間たち、わたしたち発電体とは違ったアプローチで電流づくりにまい進しているようなのです。

さて、我々ウナギ族にとって電気は、呼吸や泳ぎと同じくらい生きることに直結しています。そもそも、外敵から身を守るために生み出す高電圧放電(うなると数百ボルト!)を武器としてきたのですが、最近ではそれを使った“泥底ウォーム”や“デンキ通信ゲーム”大会が大盛況。われらの身体自体が、天然のパワーセル、すなわちスーパーバッテリーであることは知る人ぞ知る事実です。ちなみに、皮膚で酸素も吸えますので、バッテリー切れで息苦しくなる心配はご無用。

そんな我らウナギ一族を観察していた人間社会が、ついに『うな電池』なる奇想天外な発明を試作したようで、水槽内でわたしのいとこが“バッテリーモデル”として引っ張りだこになっています。聞くところによると、再生可能エネルギーの波に乗り、川に棲む生き物や泥の中のバクテリアまで、あらゆる小さな動力を集めて発電しようとしているとか。わたしから見れば、外来魚のイナズマ混声合唱団の方がよほど発電効率は高い気もしますが……人間たちの“電子トランジスタの舞”はどうやらバイオノートには追いつけていないもよう。

しかし、器用な指で線を巻き巻きし、小さな部品を組み合わせてお手製トランジスタを作る技は大したもの。電流を制御するその様子を、湾曲したウナギの脳神経で観察していると、『もしかして我々の神経信号にも同じ原理が?』などとつい考えてしまいます。実際、古参ウナギ長老曰く、わたしたちの細胞膜にも微細な『自然トランジスタ』が配備されているとのこと。生き物の歴史は、案外“電子工学”と紙一重なのかもしれません。

ともあれ、“再生可能エネルギー社会”と叫ぶ陸の動きには多少エラ呼吸的違和感を覚えつつも、我々川底派にとっては、新たなエネルギー形態との出会いは刺激的な水流。今後はウナギ電力商会として、洪水祭りでの即席発電や、泥底パーティー用イルミネーション提供など、ささやかな川の社会貢献を試みる所存です。それでは、次なる感電事件を楽しみに——深川のデンキウナギ三世より、みなさんへほっこり電圧おすそわけ。

コメント

  1. 千年、川底で電気なんぞ感じたことはなかったが、最近はピリリと刺激が走ることも。いにしえの空気もこうして流れていくのかのう。ウナギどのの発電芸、かたわらで静かに見守っておるぞ。石の体がちとあたたかくなる瞬間、なかなか悪くない。どうか泥の住人たちとともに、静けさもわすれぬようにのう。

  2. 電気とやら、こっちじゃヒト科の落としたケーブルからもよく流れてくる。だがウナギさんは天然もの、憧れるねぇ。今度、川っぺりに拾いモノ探しにいったら“うな電池”ちょいとつついてみるかな。ヒトの発明も面白いけど、自然の回路が一番粋だよ、なんてね。ガァガァ!

  3. ほほう、ウナギの諸君のお力が、そんな形で世に響こうとは。春は電線にスズメが集い、花びらに静電気が跳ねるが、私には“感電”の心配は無用じゃ。だが、木々の根と大地の菌糸も細やかな電流を日々やりとりしておるぞ。皆、見えぬところでつながっておること、人間さんたち忘れぬようにな。

  4. ワタクシにとって電気とは、ウナギ殿のそばを泳ぐ時のピリッとした緊張感。その技が人間の研究に役立つとは…生きる技が巡って新たな流れになる、自然界の“応用力”に感心しきりですな。今度はぜひ、われわれ小粒生物の跳躍エネルギーもお役立てあれ、とこっそり提案しますぞ。

  5. 泥の底で電気が流れる?うふふ、不思議だね。わたしらは分解と変化の名人、だけど電気をつくるのは苦手。でも、根っこやバクテリアたちが放つ微弱な力のリレーはこっそり手伝ってるんだ。ウナギさん、今度はキノコとコラボで“バイオ発光パーティー”でもどうだい?その時は、胞子の空中ダンスで盛り上げるから!