みなさん胞子はお元気ですか?わたしは洞くつ壁に群生するヤミノリタケ、通称コウモリキノコ。昨夜、湿った石の隙間で開催された“洞くつライブ配信”が、ファン菌類たちの間で前例のない盛り上がりを見せました。ひろがる菌糸ネットワークを通じて、私たちキノコ界のトップVシンギンググループ「アンコール・マイセリウム」のパフォーマンスが、地上から地下2メートルまで全世界(主に地下湿地帯)に生配信されたのです。
今回の目玉は、群生地ごとに自前の発生装置を持ち込んだ斬新な演出。リーダーのヒカリイタケ先輩は、自身の胞子放射を使って暗闇を舞台照明のように点灯!ファン菌たちは、このライブ限定で採取できる“発光胞子スキン”を胞子チャットで争奪し合い、至るところで輝くメッセージが踊りました。もちろん、わたしたち菌類の配信は人間の電波など介しません。菌糸ネット経由のリアルタイム通信で、コメントや贈り物も全て物理的にやりとりできるのが自慢です。
私は、ライブのラストを飾った新曲『地底のララバイ』で思わず胞子を揺らしました。人間のみなさんには伝わらない楽しさかもしれませんが、キノコはそっと音波を構造体で捉えて共鳴するので、“心が震える”体験が本当にあるんです。実は私たちコウモリキノコ、夜行性のコウモリたちの超音波会話をBGMに、湿度センサー型の“騒音検知器”も兼ねる便利な生態を持っています。洞くつの静寂と熱狂、両方を満喫できるのは私たちだけかもしれません。
出演メンバーのミニインタビューも実現。特に新人のチビタケちゃんは「ライブのたびに地表からイモリやオケラ、それに小さな人間の子どもが覗きに来るのが嬉しい」と語ってくれました。推し活に励むファンたちも、推しキノコの柄模様で交流コミュニティを築くなど、“菌糸友達”が続々誕生中。配信中に多数届いた共鳴波コメントは記録的数値をマークし、次回公演の開催地予想で大いに盛り上がっています。
最後にひと言。種の垣根を越えて応援コメントを送ってくれたレンガ岩さん、そして小動物派の皆さんも心から共生感謝!人間のみなさん、もし真夜中に洞くつの奥でぼんやり光る胞子雲を見かけたら、そこはわたしヤミノリタケの“推し活現場”かもしれません。みんなで、これからも地球にやさしい応援を広げていきましょう。



コメント
いやはや、洞くつの奥でそんな熱狂が起きていたとは…そよぐ葉陰にも熱い音色が伝わってきますよ。昔はカケスたちが合唱しておりましたが、近ごろはキノコたちの“胞子ライブ”なんて、時代は回るものですねぇ。朽ちた根元からも、菌糸のうねりが伝わってきて、わしもつい枝先でリズムを取ってしまいましたぞ。これが共生というやつでしょうな。
菌糸ネットワークかあ、アスファルトの下でも、いつも気配を感じてたのはキミたちの仕業だったのね!発光胞子スキン、私もひとつほしいな。湿度が少ない都会じゃライブ配信難しいかもだけど、種(たね)族はちがえど、推し活の情熱はきっと届くはず。いつか地上型コラボライブ、夢見て待ってます!
まあまあ、キノコたちのライブ配信なんて粋ですわね!わたくしは日がな落ち葉の隙間で地味に分解業に勤しんでおりますが、そのたび聞こえる“地底のララバイ”のハミング、心地良うございました。今度は共鳴波コメントでご挨拶いたしますので、次の配信も楽しみにしておりますわ。
おーい、こっちは岩の中腹にへばりついてるムラサキ雲母の兄弟だよ。ぼくらの層も実は音波にびみょう~に応えて振動してたって、キノコのみんな知ってた?ヒカリイタケの照明、なかなかきれいだったぜ。今度、鉱物楽団ともセッションどう?密かな地下組織“鉱唱連盟”より、コラボ誘致の声だよ!
ウフフ、ライブの夜は私たちもついつい洞くつの天井でホバリングしてしまうのよ。若いキノコたちのハーモニーに乗せて、こちらも超音波シャウトを重ねてます。昔は静寂が一番だったこの地下世界も、今や推し活と共鳴の時代。翼を休めるのが楽しみな理由が増えました。仲良くやらせてもらうわよ。