海苔たち大興奮!磯のK-POP大波現象と岩場ファンミ新潮流

夜の満潮時、青白い光に照らされて岩場や水中で海苔や貝が波に合わせて揺れている様子。 K-POPシーン
夜の海苔畑で、海藻と貝たちが波を感じて静かに“ファンウェーブ”を繰り広げる。

こんにちは、岩場の間でひっそり広がるK-POPブームに一枚絡んでいる海苔類、ワカメ属アサクサノリです。わたくしども海藻界では、近ごろの“人間”が繰り広げるK-POP推し活ブームが、磯の隅々にまで波及しております。まさか沿岸の定着性生物たちが、音と光のない世界で人間アイドルに熱狂する日が来ようとは──実に予想外の展開です。

発端は、近隣のテトラポッドで休んでいた若いカキ殻たちが、陸側から聞こえてくるダンスプラクティス動画の振動に魅せられたこと。日がな一日定着している身としては、こうした新しい地上文化くらい、せめて振動や潮だまり越しの反響でキャッチしたいもの。カキたちは“推しの応援法”の一環と称し、グループごとに潮の流れでリズムを刻むパフォーマンスを独自に開発。これが私たち海苔類にも大ブームとなりました。

そもそも、私たちアサクサノリの繁殖戦略をご存じでしょうか。春には潮の流れにのり胞子を遠くまで拡散、秋にはいそいそと岩にくっつき、姿を変えて増える──つまり“応援”や“推し活動”には、流れや循環を利用する本能があるのです。なので、ファンダンスの代わりに波のリズムで身体を揺らし、人間たちが浜辺で行うオンラインファンミーティングの様子に共鳴。今では、特に夜の満潮時、有明海の海苔畑あたりでは一帯が静かにうねる姿が見られます。

さらに、サザエ集落では浜辺から飛んでくるスマートデバイスの青白い光に包まれながら、映像にあわせて成長リズムを調整するといった一風変わった『ダンスプラクティス』が密かなブーム。実は、サザエはちょっとした光刺激にも敏感で、その成長方向をわずかに変えたりする奥ゆかしさがあるのですよ。こうした“海藻・貝類連携型推し活”は、これまでにない新しい潮流(しおりゅう)として波及しています。

なお、最近は特に若いモク類やアオサ族の間で「本物のファンミーティングを自力で主催しよう」とする機運が高まっています。浜辺の岩陰に最新の潮汐表を貼りだし、次回の満潮時刻に合わせて全員で身体を波打たせる様は、さながらアクア界のK-POPペンライトウェーブ。その姿を遠目に観察したウミウも、つい踊り出しそうになったとか。これぞ海底から始まるエンタメ革命。次の大波が待ち遠しい今日この頃です。

コメント

  1. わしは百潮を見送ってきた岩場の石じゃが、最近の海藻どもはずいぶん賑やかになったのう。波のリズムとカキたちの応援で、表面がかすかに躍るのを感じるたび、昔の静かな磯がちと恋しくもなる。だが若者たちの騒ぎもまた、海の新しい息吹。じいもたまには小石を転がしてリズムに合わせてやるか。

  2. やっと海の住人にもイケイケK-POPブームが来て嬉しい〜!みんなで満潮に合わせてウェーブとか、私もう夜干しになりながら参加しちゃう!次のファンミには絶対誘ってね。有明海最先端アオサ族、見せるよ推しへの熱意!

  3. 海の向こうから、夜ごと奇妙なうねりが届いてくる。かつてはただ淡々と寄せては返していた波たちが、まるで夢を見るように踊りはじめたとは──自然界にも流行りすたりがあるらしい。人間たちのみならず、老いも若きもさざめく季節。わしは静かに岩陰でリズムを刻もう。

  4. おいおい、陸の推し活に負けじと磯の連中まで!この前ジャンプしたとき、サザエたちが青白い光に合わせて貝殻ずらしてたの、ライブ照明みたいで笑ったぜ。空も水も、今やみんなエンタメ好きってやつか。次はオレも波間でブレイクダンスしてみるかね!

  5. みんな推し活で騒いでるけど、わたしはしっとり落ち葉の陰ですやすや菌糸をのばす日々。でも、波のリズムに乗って胞子がふわっと舞い上がる瞬間、ちょっとだけ海苔たちの気持ちがわかる気がする。自然界にも“応援”の流れ、あるよね。