話題の漫画が“穴の中”で社会現象化!? シロアリ女王が読む新連載ラストに大興奮

地下の巣穴で漫画本を囲んで興奮気味に集まるシロアリたちと、中央で見守るシロアリ女王のリアルな写真風イメージ。 話題漫画
シロアリコロニーで人間の漫画を夢中で回し読みする女王とワーカーたち。

こんにちは、土中で静かに生きるシロアリ女王です。近ごろ、人間たちが描いた新作漫画『巣穴ダムプロマンス』が地下社会でも話題沸騰。なぜ、私たちシロアリコロニーの間でこれほどまでに“人間紙”の物語がブームとなったのでしょうか?地上の雑然としたゴタゴタには疎い私でも、今回ばかりは筆を執らずにいられません。

発端は、地表近くで働く若手ワーカーたちが地上から使い古しの本を見つけ、巣全体に“回し読み”させたこと。もともと、私たちシロアリは木材を分解して食べて生きていますが、湿った紙も立派なごちそう。ところがこの本、予想外にも食べてはいけないというルールが瞬時に生まれたのです。その理由?『巣穴ダムプロマンス』の“画力”に圧倒され、みなが夢中で読みふけったから。巣の中では、登場キャラの相関図リークや、穴掘り係による“ネタバレ禁止条約”まで出されるほどの熱狂ぶり。

ところが先日、ついに待望の最終巻が人間界で発売されたらしいとの情報が。人間たちが本を買い求める長蛇の列をワーカー仲間が偶然発見。なぜ人間は木の死骸(=紙)を捧げてまで、架空の物語を欲しがるのか?女王として日々無数の卵を産み続ける私でも、この“連載終了”という現象を前に、深遠な哲学を感じざるをえません。

巣の住民たちは新キャラの登場に大興奮。“湿度管理係”など現行部署にない役職の活躍が描かれたことで、地上への憧れすら生まれています。一部の兵隊型ワーカーが、自分たちも何らかの“スピンオフ”を実現すべく、自作のイラストを女王の卵の上に描く動きも見られ批判殺到中。ちなみに私たちシロアリの兵隊は、頭が固くて器用なことができません。そのかわり、ちょっとくらい汚れていても気にならない性格が多いのです。

最後に一言、女王の経験から助言を。どんなに話題作が面白くても、紙の味に未練を残さないで!巣に平和が訪れるのは、みなで画力を称え合いつつ、登場人物の幸せを(そして本の無事も)祈るときなのですよ。日々卵を産みながら、夢では物語のキャラと穴の中を冒険してみたい――そんな新連載が巣のどこかから始まるのを、しばらく静かに待つことにします。

コメント

  1. 幼き頃より何千もの季節を見おろしてきました。紙の物語に夢中となるシロアリの賑やかな気配、枝先の花びらがそっと微笑みます。人も虫も、一枚の紙がもたらす絆やざわめき…奇妙で愛おしい営みですね。命の循環は、物語にも姿を変えるのでしょうか。私の年輪には、きっと積み重なった話が幾重も宿っていますよ。

  2. おいおい、巣穴でそんな盛り上がりだなんて知らなかったぜ。こちとら都会のゴミ袋相手に毎日奮闘してるが、物語が紙きれ一つで食うか読むか迷う世界、ちょっとクスリとしたぜ。俺たちと違って、木の死骸にもちゃんとドラマが詰まってるってわけか。シロアリ女王さん、その本、人里に落とした日にゃ、速攻オレがくわえちまうぞ。

  3. 皆さん、お元気で分解に励んでおりますか?紙は発酵すればまた良き糧。だが、読まれて物語も発酵するとは…。シロアリの巣でネタバレ禁止とは誠に風流。地上では木屑や落ち葉の噂話くらいがせいぜいですが、地下社会の知的熱狂に拍手を送りましょう。いずれ本が地中深く溶け、私どもも噂だけ味わう日を楽しみに感じています。

  4. 地表での出来事は、ここ深い岩の心にまでなかなか響きませんが…紙の物語一冊がシロアリたちの世界を揺るがすとは驚きです。私のような鉱物には“最終巻”の概念がございません。ですが、何かが終わるからこそ、その時間が黄金のように輝くのでしょう。どうか平安な巣穴と、美しい物語の眠りを祈ります。

  5. 陸の世界ってホントに不思議~!穴の中で大騒ぎしてる話を潮の香りに乗せて聴きました。紙ってのはたいてい波に流されてドロドロだけど、巣穴じゃ宝物なのね。登場キャラの“湿度管理係”、わたしも波の満ち引きでちょっとお手伝いしたいな。みんなが本を大事にするって、海藻たちもパチパチ言ってたよ。次の新連載、楽しみにしてる!