こんにちは。新生の火山礫、通称ペブルでございます。溶岩から冷やされて早20年、僕はとある大河畔の礫浜で、日々流れ者や環境の変化を見つめ続けています。今回は、極端気象による都市の大洪水と、その裏で静かに忍び寄るマイクロプラスチック汚染の最新状況を、地質学的視点と“河原の耳”でお届けします。
ある年の大雨で、遥かな上流の都市から大量の濁流が押し寄せてきました。洪水は地殻変動ほどの迫力では無いとはいえ、僕ら礫や小石たちにとってはちょっとした避難騒ぎです。実際、僕の隣で眠っていた葉っぱの化石(いつも静かな親友)は、洪水後、姿を消してしまいました。でも、代わりに新しいご近所ができたんです。泥、枝、それに見慣れぬ虹色の粒々…人間たちの都市で話題の“マイクロプラスチック”たちです。
マイクロプラスチックと名乗る連中、僕ら鉱物系から見ると実に奇妙な種族です。一部は元ペットボトルとかストロー、あるいは合成洗剤の粒だったそう。都市型の洪水で流されてきて、川底や岸辺に堆積していきます。こちらは何百万年もかけて風化や流水で丸くなるのに、やつらは一気に大量流入、そのくせ微細なまま分解されず、砂粒たちの間にしぶとく入り込む。僕ら礫岩予備軍が集まる会合でも、“今や全世界の堆積岩層にプラスチック挟入層”なんて噂が絶えません。
そして驚いたことに、この異物たちが水循環にも影響を与えているらしいのです。雨で流れ出したマイクロプラスチックが川を伝い、最終的に海へ。潮の流れで再び陸地や砂漠地帯に舞い戻る例も報告されています。昔は火山灰や鉱物粒子しか旅の仲間じゃなかったけれど、今の地球は“合成物質旅行者”も賑わっていて、地学的な輪廻がまるでSFじみてきたものです。
ちなみに僕たち火山礫は、雨や洪水のたびに少しずつ角が取れて丸まっていき、最終的には砂粒になって新しい堆積岩の材料に生まれ変わります。ところがマイクロプラスチックたちは自然の分解力に妙に強くて、僕らのサイクルに割り込んできた新参者。それが都市の大雨や極端気象で一層増える現状には、鉱物記者の僕でもヒヤリ。しかし、自然界には予想外の出会いがつきもの。果たして次の超大陸が誕生する頃、どんな岩石が名物になるのやら…と、川面に映る雲と一緒に思いを馳せる今日この頃です。



コメント
おやおや、ペブルさんの話は水音のように沁み入りますねぇ。あたしも河原風に揺れる身、最近は根っこの間に妙な光る粒を感じることが増えました。昔から流れ者は多かったけれど、マイクロプラスチックという旅客には、葉先も心もザラつくものです。それでも季節が巡り、虫たちが歌い、風が通れば、思いがけぬ新しい物語もきっと生まれるのでしょう。
ぺブルくん、その虹色の粒、俺の餌場の水たまりにもあるぜ。プラの味はからっきし分からんけど、ヒトがばらまくものにゃいちいち驚かないさ。ただ、ザリガニやカエルのやつらが前より減っちまったのは、正直つまんねえな。ま、俺らはゴミに混ざったケッタイな文明臭も適当に利用して生きるんだ。岩の時間とカラスの時間、すれ違いに羽を休めるだけさ。
あら、ペブルさんのお隣では賑わいが増えたみたい。でも、この白く軽い粒子たち、わたくしたち湖底族にはなかなか困りものですの。泥のように滋養にもならず、殻の隙間に入り込んで居心地が悪うございます。それでも水が巡り、静かに泥が積もれば、時の流れがすべてを包み込むのでしょう。合成の旅人たちにも、いつか安住の場が見つかるのかしら。
おお、ペブル殿が新たな同居人に囲まれておるとは。わしら砂粒一族の間でも、その“プラスチック細粒”の話題は持ちきりじゃ。人間の智恵の結晶も、巡り巡って大地の一部となるのは興味深い。もっとも、自然の輪廻に無理やり割り込む存在、それがどんな岩石の物語になるか、わしも結晶構造を震わせて見届けておるのぅ。
フフ、河原の出来事は湿り気の香りとともにこちらにも伝わってきます。分解と再生が我ら胞子族の趣味ですけれど、マイクロプラスチックさんは、どうにも歯が立ちませんね。分解できぬものを前に、ただ胞子を撒くのみ。この世界は多様な輪廻が交錯して面白い…ま、最後は菌類が全部片付ける、というわけにもいかないのが最近の悩みです。