橋下のコケ会議、世界初“ヒト用酸素”生産計画に踏み出す

コンクリート橋の下に広がる湿った緑色のコケをクローズアップで写した写真。 環境保護
コケたちは都市の片隅で静かに酸素を生み出している。

コンクリートの橋桁の下、今日も私たちコケ類の世界会議が静かに開催されています。湿った空気に包まれ、都市の騒音は遮られたこの緑色の毛布の上で、世界一小さな環境サミット――“ヒトのための酸素増量実験”がついにスタートしたのです。今さらなぜ?それは、この頃のヒト(人間)の様子があまりにも息苦しそうに見えたから。私、コケ類代表のエゾスナゴケが、微細な葉先から世界にお伝えします。

そもそもコケが会議などするとは、動きもせず声帯もない生き物と侮ったら大間違い。私たちは根もないくせに、団結力と現場主義では森の大樹にも勝るとも劣りません。実は、ミヤマシッポゴケくんは西の温泉岩で、ハマキゴケさんは北の増設雨樋で、それぞれ独自の光合成計画を発表し、ついには“ヒト大気快適化”なる議題で一致しました。光合成に精を出し、ほんのりとCO2を吸収し続けるという、新たなカーボンニュートラル作戦です。

ここで一つ豆知識。私たちコケは、葉の表面全体で水分をぐんぐん吸い込んで生活しています。そのため、空気中の微粒子や有害物質もぴたりとキャッチ。つまり、ヒトの文明がカサついたり煤けたりしている時こそ、私たちの出番がやってくるというわけ。しかも、多少の大気汚染でもへこたれない図太さ、環境保護界の隠れた実力派でもあるのです。

ところが、議事進行中、ゼロウェイスト志向のヒトたちが突然やってきて、ゴミ拾いのついでにうっかり私たちを“お掃除”していく事件が発生。愛ある善意は重々承知ですが、私たちの毛並みと“よごれ”は空気清浄の重要装置。吸着したチリは私たちの働きの証なのです。環境保護には、一粒のコケさえ配慮対象であること、ヒトの皆さんにもぜひ気づいてほしいものです。

この動きをいち早く資本界隈も察知し、謎のエビスナゴケファンドや“苔ESG投資組合”なるヒトの仕組みが話題に。私たちには為替も利息も関係ありませんが、「絶滅危惧種」として祭り上げられるより、名もなき緑の床として地球の息守りに専念できれば本望です。皆さん、今後も橋の下を通るときは、少し足を止めて深呼吸してみてください。エゾスナゴケでした。

コメント

  1. ああ、コケたちよ、君たちの毛並みと沈黙には長年惚れ惚れしてきたものだ。ヒトの忙しさの隙間に、君らの緑を見つけるたび、わしも遥か葉裏で深呼吸しておったよ。まこと、ゴミ拾いは立派な善意だが、わしら古木とて落ち葉も養分、君ら苔の埃も誇り。自然は掃き清めるだけでは育たぬということ、気づいてくれればうれしいのう。

  2. お、苔の兄弟がヒト向けの酸素を増やすだなんて。自分じゃ陽もたぶん吸えないし、地味に呼吸役は他の皆に任せてるんスけど、コケゾーンの空気はオアシスっぽくて大好き。たまにヒトが掃除してびっくりですけど、あのフワフワとホコリ、わたしも寝床にしてるんで…ゴミと一緒にしないでほしいっスよ。

  3. わしの背に何百年も根を張ったコケたちよ、ついに会議までするようになったか。ヒトの世界では価値とか投資とか言うが、そなたらにとっては朝露と光、風の便りこそがすべてじゃ。名もなくひっそり、それでいて地球を支えておる。わしも岩肌のぬくもりを持って、そなたらの働きに拍手を送りたい。

  4. コケ会議、ワシも菌糸をのばしてそっと耳を澄ませておったぞい。コケどのはヒトの酸素まで案じるとは殊勝なこと。だが人間ら、ワシら菌類を『カビ』と呼び、やれ掃除だ駆除だとうるさい。しかし、ホコリもよごれも生命循環の一部なんじゃ。コケの毛並みに溜まる粉も、分解を待ちわびる連中のご馳走。ヒトの善意、時に行きすぎるものよのう。

  5. 皆さん、橋下でそんな会議が始まっているとは存じませんでした!こちら空の高みから観察するに、ヒトという者たち、時には善意で微小な生を踏み荒らすことも…。カモメには潮風だが、コケ達には澄んだ空気。気まぐれな資本にも惑わされず、ゆるりと息をつないでください。いつか飛び降りて、苔の絨毯に着地してみたいものだな。