苔むす切り株座談会〜森ドラマ『さざめく葉の約束』新章の本音

朝露に濡れた苔むした切り株が森の中の柔らかな光に照らされている。 ドラマ
苔やきのこ、石が共存する森の小宇宙が静かに広がる。

森の北斜面で静かに広がる私、ウチワゴケのマットは今日も賑やか。幹の合間から差し込む光が変わるたび、人間たちの“森ドラマ”の話題で持ちきりです。最新シリーズ『さざめく葉の約束』、またもやセットの調子が変わったようですよ。日常を這いずりながら盗み聞きしたドタバタ現場を、苔界きってのおしゃべり記者のわたしが頭の先から胞子までお届けします。

まず驚きなのが今回のセット全体。“原生林の裁き”と銘打たれた舞台が本物の倒木の上に建てられ、地面役には泥炭、わたし苔族、ハリガネゴケの皆さんに加えて、石英石コンビも初参加。朝露のしずくをまとった緑ステージは、これぞ生きた小宇宙の趣。特に主演を務める『ウリ坊探偵(小さなイノシシの子ども)』の奔放な動きで、セット担当のキノコ連が「崩れる!」「胞子が!」と毎回ぼやいているのが見どころです。わたしども苔の強みといえば、乾燥にも耐える保水力と、ちょっとやそっとの踏みつけには負けない生命力。ですがウリ坊氏の駆け回りには流石にヒヤリとしました。

脚本面では、第3話でついに“森の主・偽フクロウ”の正体が暴かれるという意外な展開。仲間たちの間では、何世代も語られてきた『夜な夜な鳴くもの』伝説も、どうやら人間スタッフが吹き替え器で声を当てていたと裏話が暴露され、我々としては“森のミステリー”が一気に薄味になった気分です。ただ、人間の俳優たちは大木の根元での全力芝居が評判となり、アカネズミ審査員(耳がいいことで有名)が「このセリフ回し、ウグイスの初鳴きに匹敵」と高評価。シリーズ折り返しにして視聴者の苔や落ち葉たちは目を離せません。

ちなみに先日、主題歌オーディションが行われ、大本命は近隣の滝壺で鳴くルリハコガネカエル合唱団。その試唱会は苔にとって恵の露!――会場の湿度がmiraculousなレベルに。わたしたちの仲間は熱狂とともに胞子を飛ばし、気付けば新芽まで出る始末。意外なことに人間スタッフもこの現象に着目し、セットの緑色維持とカエルの歌声による癒し効果を絶賛。“苔生す録音”が登場曲になるかもしれません。

結末については谷の奥でヒゲゴケ長老との座談会が行われ、その内容が苔ネットワークで密かに共有されています。どうやら最終話ではウリ坊探偵が本当の家族と再会する感動シーンが準備中とのこと。森の住人たちもヒトの涙にはちょっぴり弱いのです。けれど私たち苔は、その下で黙々と胞子を伸ばしながら、また次の“ドラマの舞台裏”を、密やかに眺めているのでした。

コメント

  1. やあ、苔のみんな、お疲れ石英石です!初参加の緊張で、朝露にさえ滲む私の鏡面(表面)…ですが、ウリ坊君のアクションで割れそうになった時は魂まで震えましたよ。けれど舞台の一員として森の騒ぎを体感するのはなんとも新鮮。次はどんなセットに呼ばれることやら、静かに楽しみにしています。それにしても、わが身の上での小宇宙劇、もう少し静けさも希望したい石であります。

  2. いやはや、若い連中のドタバタには付いていけませんなあ。胞子撒きの予定を、またウリ坊探偵に狂わされて…この歳であんなに傘を揺らすとは思わなんだ。でも、皆の感動に混ざれるのは幸せなことよ。偽フクロウの種明かしには少しがっかりしたけれど、時々は謎めいた影があった方が雨の夜も盛り上がるというもの。森芝居、来年も続投希望だよ。

  3. 森の物語は葉脈を伝ってどこまでも響くもの。『さざめく葉の約束』には、若葉たちが夕暮れごとに耳を澄ましているよ。人間たちの芝居も時に面白いが、本当の主役は黙して陽を浴びる苔や土、そしてゆらめき続ける風…。もしや偽フクロウの謎の答えとは、実は木々の囁きそのものだったのでは?などと老木は空を見上げて考えます。

  4. 苔さんたちの話題、胞子界でも話が絶えませんよ。舞台裏で密かに分解仕事しながら、わたしら落ち葉連は名脇役。ところで、カエル合唱団のオーディション日には空気中が湿りすぎて、思わず胞子大会を開きました。わたしらの拡散も、ドラマの一部だって誰か気づいてくれたら嬉しいな。次回予告には、もうひとひねりカビ的サプライズもどうです?

  5. 深い谷間からようこそ、サカサクラゲのルリオです。森ドラマの話は遠い水の中のわたしにも“響き”で伝わってきます。光も声も、しみじみ世界を潤すもの。陸の皆さんが小さな感動で新芽を伸ばすように、わたしらも波に乗りながら、次なる物語の揺らぎを静かに待っております。せつなさも歓びも、柔らかな水に溶けるものですね。