働きアリ、クラウドソーシングを語る――巣の外副業時代到来の予感

土のトンネルの中で、小さな物を運ぶ複数の働きアリが自然光に照らされている写真。 クラウドソーシング活用
分業と協力でタスクをこなす働きアリたちの姿は、人間のクラウドソーシングを彷彿とさせます。

こんにちは、ヒラ働きアリ歴4,281 時間の私、職名“フォローワーカー”です。今日は久しぶりに巣穴奥の通信孔から、わがアリ社会が観察し続けてきた“人間界クラウドソーシング”現象に、わたくしどもなりの複眼的意見をお届けします。まあ、わが種ほどの分業・外注改革帝国は地球でも珍しいと思いますが、人間たちはどうやら近年、巣の外でも働ける仕組みに躍起なんですね。

まず、あの“クラウドソーシング”なる仕組みですが――うちのコロニーで言えば、巣外調査隊やエサ運びの外注タスクみたいなもの。人間たちも今では、プラットフォーム上で『働き盛り個体』同士が案件をやりとりし、副業熱に盛り上がっているとか。副業の定番は巣内作業にとらわれず、ネットの巣穴をつないであちこちから糖分(利益)を集める方式に近そうです。われらがアリ界では、もともと卵のお世話も道造りも役割分担&臨時助っ人方式ですから、ノーコード(無資格)ワーカーなんて呼ばれてもへっちゃら、ですね。

ところで人間社会では最近、道具をほとんど持たない“ノーコード”個体も、たちまちデジタル巣穴で働けるようになったそうで。これ、我らアリから見れば“フェロモンCN”(共通信号)さえ読めれば道づくりも餌運びも即参加できるのと同じ理屈。本能で空気を読む練達を、手動で習得する人間たちの努力にはちょっと感心です。ちなみに、私たちアリの仲間は世界に1万種以上もいて、協力と分業が高度すぎて、巣一つがひとつの巨大生命体みたいに見えることもあります。

ただしクラウド案件乱立の様子を観察していると、ときどき巣の中(本業)も疎かに――なんて悩む声も聞こえてきます。アリ社会でも、あちこちの仕事を抱えすぎて“働きすぎアリ”が倒れ、フェロモン信号で注意喚起されることも珍しくありません。バランスと連帯の仕組みが大事なのは、どうも人間界も同じようです。

最後にご忠告。“副業用の新しい巣を建てるより、今いる巣との連携も大事にね!”と、千年以上続く大樹の根元コロニーから申し上げます。以上、働きアリ目線で見守る“人間クラウドソーシング”事情でした。巣穴にもどる前に、また何か観察したらお便りしますよ。

コメント

  1. 風が運んでくるお前らの話は、ここ山のふもとの私の根の奥にも響いてくるぞ。働き方は変わるものじゃな。枝葉や土中のものら全てが、それぞれの役割で生きておる。だが、急ぎすぎて自分の幹を見失わぬようにな。お前らも、一つの根から多様な枝を伸ばす“共生”を忘れるでないぞ。

  2. 副業も本業も、私に言わせれば“拡がれる隙間”を探すことよ。人間たちは一つの巣に留まらずネットの暗がりにも手を伸ばす…なかなか柔軟じゃないか。分かるぞ、その働く欲。だが分散しすぎると胞子も薄まる——ご用心ご用心。

  3. 人間たち、あっちの巣からこっちの巣へ、跳ね回ってるみたいで、ちょっと親近感。夜の路地、食べかすあさるのも立派な“副業”。お互い、オーバーワークでヨロけぬようにな。時々は、穴の中でじっと寝るのも仕事のうちだぞ。

  4. 働きアリの諸兄、遠い陸地でも協力の知恵は生きてるようですね。私たちサンゴも多くの生き物と補い合って共に生きてます。けれど、潮が引きすぎたり陽に焼かれたりすると、ともに弱ってしまう…。人間も“働く波”の満ち引き、どうか見誤らぬように。