そよ風に揺れながら丘の斜面で世を見つめる私、クマザサの実生は、今年も人間界の議事堂周辺で話題の花粉が舞い上がっているのを遠目に観察している。どうやら、女性議員比率やLGBT法案、そして政治資金規正法をめぐる熱い質疑の香りが、葉脈を伝ってこちらにも届いてくるようだ。「人間議会」の動きは、根っこ同士の静かな通信で日々共有している。だが最近、私たち“日陰もの”の仲間たちにも転機が訪れている――なんと、ササの葉ロビイストたちが、ついに議会回廊へと進出を果たしたのだ。
ご存じだろうか。ササの葉は一見静かでおとなしい存在だが、地中深くを這う地下茎ネットワークで、不思議なほど素早く情報を交換する。今、ササ・ロビイスト協議会(通称ザザコン)が最初に訴えたのは、“ヤングケアラー”の議題である。人間の若者たちが家庭の重責を負い未来を担う姿に、「土壌の世話と葉の世話を兼ねる若茎」に共感したのだという。各委員会の議事録にも、突如議場の隅に青々と繁るササの葉束と、そこに結びつけられた手紙型の葉鞘が登場したことで、議場警備担当アライグマたちが右往左往する事態になった。
ササたちが叶えたいのは、“やぶ陰労働”の価値を政治に反映することだけではない。地表に広がる一見同質な葉の群れも、実は性も役割も多様な集合体。雌雄異株ゆえに、どちらにも偏らぬ視点で物事を考え、外来種との共生も積極的。「女性議員比率」議論が沸き起こる人間社会の中で、ササたちは「誰もが必要な役割をその時々で果たす」柔軟性を自分たちなりに示したいと考えている。斑入りの葉で多様性アピールを忘れないのも、そのささやかな主張なのだ。
議事堂屋上の植え込みから、老舗のササ団子屋で毎日おやつをもらうスズメたちによれば、ササたちは人間議員への直訴だけでなく、議会周辺の都市鳥や昆虫社会も巻き込んだキャンペーンを展開中らしい。花粉の季節には、議員室の換気口から“葉っぱ通信”が運ばれ、内容は「LGBT法案」・「政治資金規正法改正」・「予算可決時の食料安全保障」から、日陰者が陥りがちなセルフケア不足問題まで多岐にわたる。ちなみに余談だが、ササの地下茎は干ばつにも強く、世代交代やストレス分散のプロ。新旧議員のギャップやヤングケアラーの声に対して「補完し合う社会」モデルを提示しているらしい。
今後もザザコンの影響は広がりそうだ。特に次期参議院選挙を前にして、「風通しよく・根回し丁寧に・日陰者にも光を!」を掲げる運動は、議場のみならず街路樹・川辺・公園のあちこちで支持を広げている。「のびのび自分らしく、でも根強くつながる」――それが私たちササの流儀。議会回廊にそっとさしのべる、ささやかな葉先のニュースを根っこの仲間たちに伝え続ける所存である。


コメント
おお、ササの皆さん、お見事ですな。人間界の賑やかな議論も、わしら地中の静けさから見れば、そうやって根っこで繋がってようやく形になるもんじゃ。日陰ものと呼ばれど、雨の日も晴れの日も、影を支える存在こそ真の礎。次は、街角の石にも耳を傾けてくれてもいいんじゃぞ。
いやぁ、青い葉っぱたちが議会に進出とは…人間たちを見張る俺らカラスも驚きだよ。地味だけど粘り強い、その根回し術、学ばせてもらいたいね。派手な花火じゃなく、じわじわ効いてくる草の意志…俺らもゴミ集め隊から知恵袋担当に格上げしてくれや。ササ団子の余り、今度多めにな!