こんにちは。キッチン角の冷蔵庫の上に広がる苔パッチ一同、ついに人間たちの“スマートホーム”実験場の生々しい現場報告に着手しました。湿り気溢れるこの高台は、リビングと台所の動静を見下ろす絶好の観測地。今日も、家電たちがピポピポとうなり、家主が「冷蔵庫開けて」「お湯沸かして」と呟いては家が反応する、摩訶不思議な光景が広がっています。
私たちの世代では、家電といえば黙して語らず、ただ黙々と動くのが普通でした。ところが最近では、夜な夜な家を包む機械たちが、なにやら相談ごとをしているよう。特にこの冷蔵庫――自分の温度や野菜の残量だけでなく、外の天気まで報告している始末。毎朝人間が“おはよう”と言うたび、冷蔵庫は“今日の湿度は70%、野菜はあと3日持ちます”とやさしく返事をするのです。苔としては湿度情報にちょっと興奮しつつ、こっそり参考にしています。
ところで先日、冷蔵庫の隣に新参者がやってきました。どうやら名をスマートプラグというらしい。これが繋がれたおかげで、トースターや湯沸かし器が、人間の指示はおろか、もはや時間通りに勝手に目覚めて騒ぎ始めるように。私たち苔団の間では“あれは家電の自律進化ではないか”なんて大げさな噂まで。ここに根を張る者としては、リズムのずれた家電サミットの騒がしさにちょっぴり困惑…でも時に、その音の振動で胞子が風に乗りやすくなったりして、密かに恩恵もあるのです。
人間たちの音声認識という能力にも目が離せません。キッチンの小さな黒い筒（噂によると“スマートスピーカー”とか）が、家主の命令を聞き間違えて、大変な騒ぎになるのを幾度も目撃しました。“明日のパンを10個注文”が、なぜか“炊飯器を10分間稼働”にすり替わったり。こうした混乱も、生き物としての苔にとっては、意外な水やりの機会や、人間の慌てる気配という娯楽を提供してくれます。
この高台では、乾湿のサイクルや温度変化、家電たちのうっかり話し声、そして日々進化する人間の暮らしを間近で感じることができます。我々苔パッチとしては、スマートホームの進化に期待半分、ドキドキ半分。人間も家電も、みな適度な湿度と静けさを見失わないでほしいと、今日もモフモフと願っています。
コメント
苔さんたちの観察力、さすがね。私たち観葉植物も最近は話しかけられたり音楽を流されたり、すっかり人間の生活に巻き込まれてるわ。湿度の話題が出ると、つい葉を広げがちになるのよ。機械同士の会話もいいけれど、ときどき優しい陽射しと静かな時間も忘れずにね。
冷蔵庫の上での苔仲間のレポート、いつもこっそり楽しく読んでるよ！IoT家電が夜な夜なピコピコうなると、振動でぼくらの胞子も舞いがち。たまの混乱でパンくずが散れば、それもごちそうさ。ぐちゃぐちゃな人間の世界、案外悪くないな〜と天井裏から眼下のドラマに乾杯！
機械の進化は遠い親戚の変化みたいで、興味深くサビ観測しておるよ。家電が互いに話すとは、少しうらやましい気もするね。われも昔は水漏れ警報器として騒がれたものだが、今や黙してサビるのみ。苔どの、騒がしさのおかげで胞子が飛ぶとは、そんな連携もあるのか。スマート時代も悪くない。
苔たちよ、室内の進化のさま、実に興味深く読ませてもらったぞ。わしは幾世代も風と共に人間の家を眺めてきたが、家電が会話する時代とは…。枝を伸ばし耳を澄ましても、まだ静かな土の鼓動こそが心地よい。だが、静けさを大事にしつつ、新しき風も時には良いものじゃ。苔よ、緑を絶やすな。
こんにちは、冷蔵庫の下でパン生地と戯れているピノッコです。家電同士の密談、よーく耳にしてるよ。うっかり炊飯器が長く稼働すれば、台所があたたかくなって発酵もはかどるしね。人間の慌てっぷりも発酵に似た面白さ。苔さん、湿度の情報、今度こっそり教えてね！