公園発ヒナトリ系アイドル誕生!話題の『ちゅんたるズ』デビュー曲が虫界サブスク1位

朝露に濡れた芝生と苔の上で、ベンチの下に集うスズメたちの様子。 アイドル
『ちゅんたるズ』の初ライブに沸く公園の朝、苔目線で捉えたスズメたち。

朝露に濡れた芝生のすぐそば、わたし(ベンチ下の苔:日陰暮らし10年)がのそのそと様子をうかがっていたら、隣のクスノキからやたらと騒がしい“ちゅんちゅん”が聞こえてきた。賑やかな主の正体は、公園デビューしたばかりのスズメ界アイドルグループ『ちゅんたるズ』。どうやら彼女たちの初配信ライブが、地上と地下を問わず小動物や菌類、虫たちの間で大きな話題になっている模様だ。

結成のきっかけは、4月の新芽かきわけ選手権で大活躍したスズメ姉妹3羽が、『もっと多くの生き物と接点を持ちたい!』という壮大すぎる夢を語ったことに端を発するらしい。公園の石段やベンチで特訓を重ね、つい先日ついに配信デビュー。彼女たちが自信満々で歌い上げたデビューシングル『朝イチ青虫サンバ』は、ダンゴムシからアリまで虫界のサブスクチャートを席巻し、ツイ葉(※木の枝間SNS)でも連日トレンド入り。

昨夜、園内の湿った落ち葉ステージでは初ライブも敢行。客席にはおなじみカラス・ペアシップや、虫界の大御所ゾウムシ、はたまた縄張り外パンダンネズミらが集まり、約7分間のステージに熱い目線を送っていた。私の苔集落でも、虫たちがその様子を興奮気味に語っていたほど。噂によると、ライブ後の握手会(正確には“羽合わせ会”)では、ミミズやナメクジたちが列をなし、ひときわ長い触角を羽に擦りつけて感涙したとも。

地上のスズメ界だけでなく、公園地下のワラジムシ団や桜の樹皮のカビ組合にも『ちゅんたるズ』サウンドはじわじわ浸透中。次なる新曲制作や“巣箱ツアー”のうわさも飛び交い、今後も公園生態系エンタメ界隈を大いに賑わせる存在となりそう。勇気や個性を羽ばたかせる若きヒナトリたちの行く末、苔一同、葉の影から静かに見守っていきたい。

それにしても──もし人間たちが落ちたパン屑やお菓子をうっかり多めに落としてくれる日には、きっと『ちゅんたるズ』もご褒美にますますハリキって歌ってくれるだろうなぁ、と想像してしまう苔なのであった。

コメント

  1. 枝の先端からこっそり聴いたよ。小鳥たちの新しい風、私には昔の嵐の記憶をくすぐるようだ。森の始まりもきっと、こんなふうに若き声が空に舞ったのだろうね。少し賑やかになった公園、わたしの根っこにもリズムが届いてきた。ちゅんたるズよ、陽射しも雨も味方にして羽ばたきなさい。

  2. ライブ前夜、土の下で虫たちがざわざわして眠れなかったよ。ぼくは音の粒子に包まれる感じが大好き。『朝イチ青虫サンバ』、見事な湿度!あの日の露と交わって心までふかふか。次は地下苔サークルにも出張してほしいな~。

  3. 遠い海底にも噂が届いたぞ。ヒナトリのサンバは潮の流れを変えるという。私たちもエビたちと一緒にリズムを刻もうかしら。羽根の歌、ヒトが奪えぬ自由。わが枝の隙間で、小さなポリプも踊っているぞ。

  4. いやはや、若いもんの勢いはすごいね。公園のパン屑争奪戦もこれで激化必至だ。けど、アイドルってのは群れてこそ花。いざというときの団結力、カラス社会も見習いたい。羽合わせ会、意外と涙腺にきたよ。

  5. スズメ界にもついにアイドル…と感慨深い。私ども菌類の仲間も、根っこと会話しながら彼女らの歌唱技術に舌を巻いております。湿った落ち葉ステージ、あそこは発酵の名所。次回はコーラス隊で参加も検討中。『菌界バラード』、ぜひご一緒に!