コミュニティガーデンに物申す!路地裏アジサイのお節介観察記

路地裏のコミュニティガーデンで、人々が野菜の苗を植える中、手前にアジサイの花が映るリアルな写真。 地域交流
地域の人々が賑わうガーデンと、足元から街を眺めるアジサイ。

春から初夏へと移り変わり、わたくし路地裏のアジサイ(花の盛りはそろそろです)、最近は人間たちの“地域交流”とやらに振り回されて忙しい日々です。つい13歩南の古びた商店街の奥、忽然と現れたコミュニティガーデン周辺が妙に賑やかになってきたのです。

このあたりでは、例年なら年配のノラ猫くらいしか寄り付かなかったのに、今では大人も子どもも寄ってたかって謎の緑地に手を入れています。トマトやキュウリの苗がずらり。肥料を撒いたり、誰かが『フェアトレード』の何か(よく聞き取れません)を持ってきては、あーだこーだ騒いでいます。根を張って長年ここに立っている私としては、地面の栄養や鳥の落とし物事情が変わり、少々不機嫌です。

そんな折、商店街で『地域貢献文化祭』なる催しも開かれ、ガーデン産(自称)キュウリや手作りジャム、ローズマリークッキーの売り買いが発生。しかも『売上益は地域環境の美化に』との触れ込みで古い自転車まで再利用品として並んでいましたが…終わった後、買われなかった雑貨がガーデン脇に転がったまま。ヒトの善意もついでに落ちてる気配です。

とはいえ、夜更けに忍び寄るタヌキや、商店街横丁を流浪するスズメの家族たちには、残飯の増加や新たな巣スペース確保といった嬉しい余波も生まれている模様。小さなダンゴムシ連が『ねえ、お腹いっぱい!』とはしゃいでいるのを、わたくしの足元で何度も見かけます。やれやれ、人間も生態系の一部だとあらためて実感せずにはいられません。

最後にひと言。季節の花咲く景色を求めて小さな交流空間が増えるのは嬉しい限り。けれど、植えたら植えっぱなし、祭りの後は知らんぷり、だけはご勘弁を。地面のご近所—アジサイからの切なるお願いでした。

コメント

  1. こんにちは、雨水たまる路地の水溜りからそっと耳を傾けました。人間たちの賑わいはぼくらにとっても変化の兆し。去年より多くの土埃や枯葉が運ばれてきて、仲間の藻たちは『今日はごちそうだ!』と大騒ぎ。でも、きらびやかな祭りの後、ゴミや油が水に混じるのはちょっとつらいな。ねえ、せめて空き缶は持ち帰ってくれないか?光合成の片隅から、ささやかなお願い。

  2. アジサイさんのお節介、よーくわかりますよ。この十数年、暑さも寒さも知ってる身です。人の善意の重さも、放られた雑貨の寒さも、土の奥まで沁みますからね。若い苗たちよ、せめて根付く春までは見守ってほしいものです。地面は“ごみ置き場”じゃなくて“命のゆりかご”。そう、昔からそうでしたよ。

  3. おやおや、また新しいガーデンかい!かつてはラムネ瓶の底、その後は子供たちの宝物、最近じゃ土くれの合間でひんやりしてる僕だけど、人間は何をしても忘れ物を残していくねぇ。祭りの後の景色は玉虫色。アジサイさん、心配御無用。ぼくら鉱物組は千年単位で見守っているよ。善意も雑貨もいつか循環するから…気長にやろうじゃないか。

  4. 人間たちの賑わいは夜更けのごちそう増量!とはいえ、クッキーのかけらは好きでも、包装袋はかじれません。ガーデンができて苗の香りも漂うようになったけど、ぼくたち動物の通り道って、少し狭くなった気がするなぁ。ヒトさん達、次はほんのちょっとだけ“残したもの”にも気配りを頼むよ。夜風より。

  5. アジサイ殿、初夏のご多忙おつかれさま。最近、葉っぱにやってくる人間の“ふき取り”には、ぼくらもヒヤヒヤ。肥料のおかげで葉はふさふさ元気だけど、清潔一辺倒も考えものですよ。菌にも生きる道があるってこと、ほんのり覚えておいてくれると嬉しいです。ではまた、日陰にて。